裁判所が「クレイグ・ライトはビットコイン発明者のサトシ・ナカモトではない」と判断

「自分がビットコインを発明したサトシ・ナカモトである」と自称していたコンピューター科学者のクレイグ・ライト氏について、イギリス・高等法院のジェーズム・メラー裁判長は「サトシ・ナカモトではない」という判決を下しました。

Australian computer scientist is not bitcoin creator Satoshi Nakamoto, high court rules | Bitcoin | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2024/mar/14/australian-craig-wright-not-bitcoin-creator-satoshi-nakamoto-high-court-rules

Bitcoin: Australian Craig Wright did not invent bitcoin and is not Satoshi Nakamoto, UK judge rules
https://www.afr.com/technology/australian-craig-wright-did-not-invent-bitcoin-judge-rules-20240315-p5fcmj

ライト氏は2016年、「自分がサトシ・ナカモトである」と名乗り出ました。

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2022年には、「ライト氏はサトシ・ナカモトではない」と主張した人物を相手取って名誉毀損で訴え、勝訴しています。

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しかし、この裁判は被告となったビットコイン専門家のピーター・マコーマック氏が仮想通貨業界に大きな影響力を持つ人物であり、言動によってライト氏に損害を及ぼし得ることを考慮して、賠償責任があると判断されたもので、ライト氏がサトシ・ナカモトであるかどうかは争点ではありませんでした。

他方で2021年、非営利団体・仮想通貨オープン特許同盟(Crypto Open Patent Alliance：COPA)がビットコインのホワイトペーパーの著作権を巡り、ライト氏を提訴。

そして2024年2月から行われた高等法院での裁判の判決が下り、メラー裁判長は「ライト氏はビットコインのホワイトペーパーの著者ではない」「ライト氏は2008年から2011年にかけてサトシ・ナカモトの筆名で活動した人物ではない」「ライト氏はビットコインシステムの発明者ではない」「ライト氏はビットコインのソフトウェアの初期バージョン開発者ではない」と述べ、ライト氏がビットコイン発明者のサトシ・ナカモトではないことを明らかにしました。

この判決を受けてCOPAの広報担当者は「この決定は開発者、オープンソースコミュニティ全体、そして真実にとっての勝利です。8年以上にわたり、ライト氏と彼の財政支援者は『サトシ・ナカモト』としての彼のアイデンティティについて嘘をつき、その嘘でビットコインコミュニティの開発者をいじめ、脅してきました。それも、ライト氏がサトシ・ナカモトではないという裁判所の判決で終わります」と述べました。

なお、ライト氏の支援者として知られる実業家のカルヴィン・エアー氏は判決を受けて「クール。クレイグは法的にはサトシではありません」「はっきり言います。クレイグはビットコインを発明した人物であり、明日もビットコインを発明した人であり続けます。歴史は変わりません。ビットコインもまた変わりません」と、なおもライト氏を支持する姿勢を見せています。

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