突然Xで動きを見せたビットコインの生みの親「サトシ・ナカモト」は本物なのか?
仮想通貨のビットコインとその基幹技術であるブロックチェーンは、2008年に「サトシ・ナカモト」という名義でオンライン上に発表された論文から生まれました。このサトシ・ナカモトの正体は依然として明らかにはなっていませんが、X(旧Twitter)でサトシ・ナカモトを名乗るアカウントが突如ポストし、話題となりました。IT系ニュースサイトのMotherboardが、このサトシ・ナカモトを名乗るアカウントが本物かどうかを検証しています。
'Satoshi Nakamoto' Just Posted. WTF Is Going On?
https://www.vice.com/en/article/ak347b/satoshi-nakamoto-just-posted-wtf-is-going-on
サトシ・ナカモトを名乗るアカウントが3年以上の沈黙を破って2023年10月3日に投稿したポストが以下。「ビットコインはpredicate machine(述語機械)です。次の数カ月にわたり、ホワイトペーパーには明示されていないさまざまな側面を探っていきます。これらの側面はすべてビットコインの一部であり、重要なものです。一連のアイデアの一部は初期に触れたものであり、今がそれを発展させて説明する時期なのです」と述べています。
Bitcoin is a predicate machine. Over the following months, we shall explore different aspects that were not explicitly contained within the white paper. These aspects are all parts of bitcoin, and are important. Some of these ideas were touched upon in the early years; now is…
— Satoshi Nakamoto (@satoshi) October 2, 2023
上記ポストには、Xのコミュニティノート機能で「このアカウントはビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトではありません。これはクレイグ・ライトに関連するアカウントで、何の証拠もなくサトシ・ナカモトだと主張しています」との情報が補足されています。
また、10月4日には「ビットコインは皆のために作られました。次の半減期は取引き手数料がマイニング補助金に取って代わるようになることを意味する重要で予測された出来事です。真実を知ってほしくない人たちがたくさんいます。彼らはこのアカウントを黙らせたいのではありません。彼らはあなたを黙らせたいのです。2024年は辰年です」と投稿されています。
Bitcoin was created for everyone. The next halving is an important predicted occurrence when transaction fees are meant to start to supplant the mining subsidy.
— Satoshi Nakamoto (@satoshi) October 3, 2023
There are many who do not want you to know the truth. It is not that they want to silence this account. They want…
このポストにもXのコミュニティノート機能で「クレイグ・ライトはサトシ・ナカモトを名乗っていますが、詐欺師であることが証明されています。彼はこのアカウントを管理しており、信用すべきではありません」と記されています。
この「@satoshi」のアカウントは、2018年頃にホワイトペーパーをツイートしています。このことについて、アンディー・ロウという人物が「私は@satoshiに代わって、@Dr_CSWrightからホワイトペーパーの全文をツイートしました」と述べています。
On the ten year anniversary of the #Bitcoin white paper I tweeted it out in its entirety from the @satoshi handle on @Dr_CSWright's behalf. The account was banned two weeks later for impersonation. cc @elonmusk https://t.co/ZQlIFslRn1
— Andy Rowe (@andyrowe) December 3, 2022
@Dr_CSWrightとは、オーストラリア在住の自称実業家であるクレイグ・ライト氏のアカウントです。
ライト氏は2018年頃から自身がサトシ・ナカモトだと主張を続けてきた人物で、仮想通貨へのアクセス権とコードの書き直しを求めて開発者に訴訟を起こしています。ライト氏がサトシ・ナカモトなのかどうかは明確に否定されてはいませんが、仮想通貨の関係者の多くは「ライト氏はサトシ・ナカモトではない」と指摘しています。
ビットコインの考案者を自称する男性が敗訴、最高5000億円分のビットコインの支払いを命じられる - GIGAZINE
2022年にライト氏は、自身を「ウソつき」「愚か者」と呼んだビットコイン評論家を名誉毀損(きそん)で訴えました。裁判所は名誉毀損を認めたものの、ライト氏が虚偽の証拠を提示したとして、わずか1.26ドル(約190円)の損害賠償を命じたのみでした。
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ライト氏はブロックチェーン企業のnChainでCEOを務めた経歴があり、そのnChainの前CEOであるクリステン・エイガー=ハンセン氏は「@satoshiのアカウントはライト氏の信奉者であるアンディ・ロウが所有していたもので、今はクレイグ・ライト氏が引き継ぎました。騙されないでください!」とポストしています。
Isn’t it a coincident that @satoshi account is used during this time when I expose Craig?
— Christen Ager-Hanssen (@agerhanssen) October 2, 2023
That account has been taken over by Craig. The previous owner is a Craig Wright fanboy @andyrowe
Don’t be fooled guys! pic.twitter.com/4qtn8Dhx2P
nChainはMotherboardのコメント要請に応じていません。Motherboardは「@satoshiはXの有料認証に登録するためにクレジットカードを使用しています。本物のサトシ・ナカモトが認証を受けるために単純にクレジットカードをXに登録するとは信じられません」と述べています。
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