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「自称ビットコイン発明者による数十兆円訴訟」から開発者を守るべくTwitter創業者のビットコイン開発者補助基金「Bitcoin Legal Defense Fund」が鋭意活動中


Twitterの創業者として知られるジャック・ドーシー氏は、ビットコインの開発者たちを訴訟の危機から保護する非営利基金「Bitcoin Legal Defense Fund」を2022年1月に設立しています。このBitcoin Legal Defense Fundは、記事作成時点までに2件の訴訟に関わっています。

Bitcoin Legal Defense Fund – Legal Defense By the Bitcoin Community, for the Bitcoin Community
https://bitcoindefense.org/


Our work – Bitcoin Legal Defense Fund
https://bitcoindefense.org/our-work/

ジャック・ドーシー氏は「ビットコインは10年以内に世界単一通貨になる」と発言したり分散型ビットコイン取引所の開発を発表したりとビットコインに大きな関心を示していることで知られています。そんなドーシー氏は2022年にビットコインの開発者を訴訟から保護するための非営利基金「Bitcoin Legal Defense Fund」を設立しました。

仮想通貨・ビットコインの開発者を訴訟の危機から保護するための基金「Bitcoin Legal Defense Fund」をTwitter創業者のジャック・ドーシーが立ち上げ - GIGAZINE


Bitcoin Legal Defense Fundは、記事作成時点で自称ビットコイン発明者によって提起された2件の訴訟に関わっています。各訴訟の詳細は以下の通り。

◆自称ビットコイン発明者によるビットコイン開発者12名に対する訴訟
ビットコインは「サトシ・ナカモト」と名乗る匿名の人物によって発明された仮想通貨ですが、サトシ・ナカモトの正体は記事作成時点でも明らかになっていません。ただし、サトシ・ナカモトを自称する人物や正体と疑われる人物は複数存在しています。オーストラリア人で実業家のクレイグ・ライト氏もサトシ・ナカモトの正体であることが複数の証拠によって示唆されている人物なのですが、ライト氏はビットコインから派生した仮想通貨ビットコインSVのコード書き直しを求めて15人の開発者に対して訴訟を起こしています。

自称ビットコイン考案者が失われた仮想通貨のアクセス権を求めて訴訟、裁判所は原告に敗訴時の法定費用支払いを命令 - GIGAZINE


クレイグ氏は、数十億ドル(数千億円)相当の仮想通貨を所持していたものの、秘密鍵を盗まれたため引き出せなくなったと主張しています。その上で、開発者に対して仮想通貨のシステム基盤にクレイグ氏からの操作を可能とするバックドアの導入を要求。さらに、開発者に対して40億ドル(約5500億円)を超える損害賠償も求めています。

一方で、Bitcoin Legal Defense Fundはクレイグ氏による「秘密鍵の操作権限要求」が「開発者が秘密鍵を上書きすることはない」というビットコインの原則を脅かすものだと指摘し、訴訟における開発者への援助を行っています。さらに、Bitcoin Legal Defense Fundはビットコインのコア部分が「一切の責任を負わない」という条項を含むMITライセンスによって公開されていることを踏まえて、裁判所がクレイグ氏に有利な判決を下した場合「すべてのオープンソースプロジェクトがユーザーの救済を法的に義務付けられる可能性がある」とも指摘しています。

◆自称ビットコイン発明者がビットコイン論文の著作権を主張している訴訟
ビットコイン関連の仮想通貨は、すべてサトシ・ナカモトが記した論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System(ビットコイン:P2P電子通貨システム)」を元に開発されています。サトシ・ナカモトの正体を自称するクレイグ氏は当該論文の著作権を保持していると主張しており、「ライセンス料を支払わずに進んでいる開発の中止」および「過去の著作権侵害に対する数千億ポンド(数十兆円)の損害賠償」を求めて訴訟を起こしています。

Bitcoin Legal Defense Fundは「クレイグ氏に有利な判決が下された場合、ビットコインネットワークの管理権がクレイグ氏に与えられ、クレイグ氏がビットコインネットワークの使用条件を変更したりクライアントソフトウェアの制御を行ったりすることが可能になります」「クレイグ氏の取り組みはビットコインに不確実性をもたらし、ビットコインの取引を困難な状態に陥れる可能性があります」と指摘し、ビットコインネットワークの保護のために法的なサポートを提供することを表明しています。

なお、2つの訴訟は記事作成時点でも継続中です。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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