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謎に包まれたビットコイン生みの親「サトシ・ナカモト」の正体がついに判明か、オーストラリア人男性が自身をBitcoin発明者と認める


「サトシ・ナカモト」という呼び名だけが存在し、長らく謎に包まれてきた仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」を実際に発明した人物として、オーストラリア人起業家のクレイグ・ライト(Craig Steven Wright)氏は2016年5月2日、BBCとエコノミスト誌、GQ誌に対して自身がBitcoinの作者であると名乗り出ました。

Craig Wright revealed as Bitcoin creator Satoshi Nakamoto - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-36168863

Craig Steven Wright claims to be Satoshi Nakamoto. Is he? | The Economist
http://www.economist.com/news/briefings/21698061-craig-steven-wright-claims-be-satoshi-nakamoto-bitcoin

BBCの報道によるとライト氏は、Bitcoin開発のごく初期の段階で作成された暗号鍵を使ってメッセージにデジタル署名を行う実演を行ったとのこと。この暗号鍵はサトシ・ナカモトが作成または「マイニング(発掘)」したとされるビットコインに強く関連づけられるものとのことで、まさに「本人しか知らないはず」の情報をライト氏が持っているという可能性を示すものとなっています。


これについてライト氏は、「このブロックチェーンは、2009年1月にハル・フィンリー氏に10ビットコインを送った世界初のBitcoin取引の際に使われたものです」と語っています。フィンリー氏は暗号技術における著名な人物であり、ライト氏の構想をBitcoinとして形にする際に大きな役目を果たした人物とのこと。

ライト氏の表明の直後、Bitcoin財団のチーフ・サイエンティストを務めるギャビン・アンダーセン氏は「クレイグ・ライト氏がBitcoinの発明者であると考えています」とするブログを公開しています。また、Bitcoin財団の創始メンバーの一人である経済学者のジョン・マトニス氏も「ライト氏がBitcoinの発明者である」と信じるに足る状況をつかんでいるとのこと。ロンドンで行われた確認作業においてマトニス氏は「暗号法」「ソーシャル性」「技術性」の3つの観点でデータを見直した結果、「ライト氏は3つのカテゴリーを満たす人物である」と考えるに至ったそうです。

上記のBBCのソース記事では、ライト氏がインタビューに答えている様子を見ることもできます。その中でライト氏は自身がBitcoinの発明者の中心人物ではあるものの、多くの協力を得てBitcoinを完成させたことや、長らく名乗り出なかった理由について「秘密にしておきたかった。私にはそれを公表しないでおくことを選ぶ権利があります」と語っています。


また、ライト氏がオーストラリア当局から税金に関する捜査の対象になっているという質問に対しては、企業としてきちんと税金を納めているとし、当局にBitcoinの知識がないと答えています。そして「なぜサトシ・ナカモトであると認めようと思ったのですか?」という質問には、「認めたつもりはありません。周りの状況がそうさせたのです。これにより、私自身と家族、友人、会社の従業員が困難に直面しています」と語り、自ら望んで公表したものではないと厳しい表情で回答。さらに、「このように答える機会はこれ1回だけです」と、今後は取材に応じるつもりがないことを語っています。


いわば、周囲の状況からサトシ・ナカモトであると認めざるを得なくなったことを感じさせるインタビューでした。実際にライト氏がサトシ・ナカモト本人であると信じるに足る証拠はそろっているようですが、エコノミスト誌は「それでも疑問点は残る」とし、状況はそろっていても「本当のBitcoin発明者」であることを決定的に裏付けるものではないという点を挙げています。

ライト氏は同日5月2日に「サトシは死んだ。しかし、これはただの始まりである。(Satoshi is dead. But this is only beginning.)」という印象的な一節を含む新しいブログのエントリを掲載しています。

Dr. Craig Wright Blog - Creating a forum about Bitcoin to dispel the myths and unleash its potential.
http://www.drcraigwright.net/jean-paul-sartre-signing-significance/

なお、ライト氏がサトシ・ナカモトであるという臆測は2015年12月の時点ですでに広まっており、この時点で数々の状況証拠が挙げられています。

ついにビットコインの生みの親が判明か、サトシ・ナカモトの本命とみられる人物がオーストラリア人男性である証拠が浮上 - GIGAZINE


また、今回の一件により、過去に名前が取り沙汰されたドリアン・サトシ・ナカモト氏は結果的には無関係だったことになりそう。ドリアン・ナカモト氏はNewsweekなどの取材に対して訴訟を起こしていました。

「Bitcoinのナカモトサトシ」と名指しされたドリアン・ナカモトが対マスコミ訴訟の費用をネットで募集中 - GIGAZINE

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in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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