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ビットコインの考案者を自称する男性が敗訴、最高5000億円分のビットコインの支払いを命じられる

by Marco Verch

「暗号通貨の根幹を成すブロックチェーンの基礎理論とビットコインを考案したサトシ・ナカモトは自分である」と主張しているオーストラリアの投資家クレイグ・ライト氏が、かつての同僚であるデイブ・クレイマン氏の遺族から「1兆円相当のビットコインを独占している」と訴えられていた件で、連邦地方裁判所はライト氏に対し、所有するビットコインの半分をクレイマン氏の遺族に支払うよう命じました。

UNITED STATES DISTRICT COURT SOUTHERN DISTRICT OF FLORIDA CASE NO.18-CIV-80176-Bloom/Reinhart
(PDFファイル)https://www.courtlistener.com/recap/gov.uscourts.flsd.521536/gov.uscourts.flsd.521536.277.0.pdf


Judge savages self-proclaimed bitcoin inventor Craig Wright | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2019/08/judge-blasts-intentionally-false-testimony-by-supposed-bitcoin-creator/


EXCLUSIVE: First interview with Craig Wright after judge orders him to pay $5 billion in bitcoin | Modern Consensus.
https://modernconsensus.com/cryptocurrencies/bitcoin/exclusive-interview-with-craig-wright-just-after-ordered-to-pay-5-billion-in-bitcoin/


ライト氏は「自分とクレイマン氏が2人でビットコインのシステムを考案した」「ビットコインの基礎理論となる論文を発表した『サトシ・ナカモト』は自分の筆名だ」と主張しています。なお、クレイマン氏は2013年に他界しています。


しかし、ライト氏が自身の主張を裏付けるために提出した文書には偽造の疑いが指摘されていました。また、ライト氏は自身がサトシ・ナカモトであることを証明するものとして、サトシ・ナカモトの所有する鍵を使用して暗号署名を生成していましたが、これは公開されている鍵を使ったもので証拠能力はありません。イーサリアムの考案者であるヴィタリック・ブテリン氏は、仮想通貨関連メディアのModern Consensusに対して「クレイグ・ライトは詐欺師だ」と断言しています。

そして、ライト氏は「ライト氏とクレイマン氏が共同で所有していた最大で110万BTC以上のビットコインをライト氏が独占しようとした」として、クレイマン氏の遺族から訴えられていました。110万BTCは、日本円に換算すると記事作成時点でおよそ1兆1300億円の価値となります。

「ビットコイン生みの親」とされる人物が約1兆円の支払いを求める訴訟を起こされる - GIGAZINE


裁判では、ライト氏は「自分がビットコインを発明した」と繰り返し主張し、「犯罪者にビットコインを奪われると信用問題に関わると考え、クレイマン氏と協力した上で業者に依頼して、ビットコインを入手するのに必要な鍵を保税運送している。鍵は2020年に業者が返してくれる」と証言しました。

フロリダ州連邦裁判所のブルース・ラインハート判事は、「第一に、裁判所は、ライト氏がビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトであるかどうかを決定することは求められていません。また、ライト氏がどれだけのビットコインを所有しているのかについての判断も裁判所は求められていません」と明言。


ラインハート判事は「ライト氏の態度は、真実を語っているという印象を私に与えませんでした。ライト氏は自分に都合がいいときは優れた記憶力を見せて細部への細心の注意を払う様子を見せましたが、そうでない時は好戦的な態度でありながらのらりくらりとかわしていました」と指摘。ライト氏が一貫性のない陳述を行っていて、話の内容がころころ変わり、昔の日付が入ったウソの文書を作成していたと判断しました。

裁判所は、クレイマン氏が亡くなる2013年以前にライト氏が採掘したビットコインは「すべてクレイマン氏との共有財産である」と裁定。偽造文書を提出して虚偽の証言を行ったライト氏に、2013年以前に採掘したビットコインの半分と関連する知的財産を遺族に渡すよう命じました。


ライト氏にはこの判決を不服として上訴する権利がありますが、ライト氏はModern Consensusの取材に対して「50万BTCはビットコインで支払うしかないでしょう」と述べ、裁判所の命令に応じる意志を見せています。ライト氏が本当に100万BTCものビットコインを所有しているかどうかはわかりませんが、裁判所の命令によってライト氏は最大で約5000億円分のビットコインをクレイマン氏の遺族に支払う必要があります。

支払われた約50万BTCのビットコインの半分はクレイマン氏の遺族に相続されますが、相続税としておよそ2000億円が課せられます。もしクレイマン氏の遺族が現金で2000億円を持っていない場合、結果として約20万BTCのビットコインが市場に流れるとライト氏は予想していて、ビットコインの相場に大きな影響を与えるとライト氏は述べています。

by BTC Keychain

ビットコインは比較的初期には簡単にマイニングでき、2010年には100万BTCを超えるビットコインが採掘されたといわれています。初期に採掘されたビットコインの多くはサトシ・ナカモトのものであると考えられていて、クレイマン氏の遺族が起こした裁判も「ライト氏がサトシ・ナカモトであり、初期のビットコインを制御できる状態にある」という仮定に基づいたものです。

しかし、ライト氏がサトシ・ナカモトではなかった場合、100万BTCも所有しているとは考えづらいものがあるため、技術系メディアのArs Technicaは「クレイマン氏の遺族とライト氏は、存在しないビットコインをめぐって合法的に戦っているのかもしれません」とコメントしています。

なお、ライト氏はビットコインのハードフォークであるビットコインキャッシュをさらにハードフォークした「ビットコインSV(BSV)」のアクティベートに関わっているといわれています。Modern Consensusの取材に対してライト氏は「今回の判決がBSVに影響を与えることはありません」と述べていますが、BSVの価格は報道直後におよそ6%の下落を見せました。

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in メモ,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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