「自称ビットコイン考案者」に対する5000億円超の賠償命令が棄却
By maxxyustas
「暗号通貨の根幹を成す理論とビットコインを考案したサトシ・ナカモトは自分である」と主張しているオーストラリア人投資家のクレイグ・ライト氏が「ビットコインを独占している」と訴えられていた件について、裁判所は新たに「クレイグ・ライト氏に支払い責任はない」と判決を下しました。ただし、裁判所はクレイグ・ライト氏に「サトシ・ナカモトである証明」を要求しています。
Bloom Filing - Kleiman v Wright Sanctions | Discovery (Law) | Federal Rules Of Civil Procedure
https://www.scribd.com/document/442784423/Bloom-Filing-Kleiman-v-Wright-Sanctions
Craig Wright to Judge: "bonded courier" gave me keys to Satoshi Nakamoto's 1,100,111 bitcoins | Modern Consensus.
https://modernconsensus.com/cryptocurrencies/bitcoin/craig-wright-to-judge-bonded-courier-gave-me-keys-to-satoshi-nakamotos-1100111-bitcoins/
Judge Orders Craig Wright to Prove He's Satoshi, Unlock $9.2 Billion Bitcoin (BTC) Fortune in 20 Days | The Daily Hodl
https://dailyhodl.com/2020/01/14/judge-orders-craig-wright-to-prove-hes-satoshi-unlock-9-2-billion-bitcoin-btc-fortune-in-20-days/
US Judge Rules That Craig Wright Won't Forfeit Bitcoin In Kleiman Case
https://cointelegraph.com/news/us-judge-rules-that-craig-wright-wont-forfeit-bitcoin-in-kleiman-case
ライト氏は、2016年5月2日に「サトシ・ナカモトは私だ」と自ら名乗り出た人物。そんなライト氏は、「ビットコインのシステムを共同開発した」と説明していたデイブ・クレイマン氏の遺族に「ライト氏とクレイマン氏が共同で保有していた110万BTC(記事作成時点で約1兆600億円相当)を独占している」として訴えられていました。
ビットコインの考案者を自称する男性が敗訴、最高5000億円分のビットコインの支払いを命じられる - GIGAZINE
by Marco Verch
2019年9月、フロリダ州連邦裁判所はクレイマン氏が亡くなる2013年以前にライト氏が採掘したビットコインは「すべてクレイマン氏との共有財産である」と裁定を下し、2013年以前に採掘したビットコインの半分と関連する知的財産を遺族に渡すようライト氏に命じました。しかし、ライト氏はこの判決を不服として上訴しました。
フロリダ州南部地区裁判所のベス・ブルーム判事は、「ライト氏とクレイマン氏が対等な関係にあったという事実は、ライト氏のビットコインの保有とは関係がないと判断しました」と説明して「以前の判断は適切ではない」と述べ、ライト氏に対する支払い命令を取り下げました。ただし、この判決には付帯条件が存在しており、「ビットコインを入手するのに必要な鍵を保税運送している。鍵は2020年1月中に業者から返却される」と主張してきたライト氏に対して、「暗号化ファイルのロックを解除するために必要な情報と、保有しているビットコインのリストを2020年2月3日までに提出すること」という命令が科されました。この命令に反した場合、裁判所は追加の制裁を科すとのこと。
By eastmanphoto
「本当にライト氏はサトシ・ナカモトなのか?」という疑問について、多くの専門家が否定的な意見を投げかけています。Quantum Economicsの創立者である暗号通貨専門家のマティ・グリーンスパン氏は、「率直に言って、彼はウソまみれです」と述べ、イーサリアムの考案者であるヴィタリック・ブテリン氏は、「クレイグ・ライトは詐欺師だ」と断言。一審を担当したブルース・ラインハート判事も、「今回の裁判は『ライト氏がビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトであるかどうかを決定すること』ではありません」と説明した上で、「ライト氏の態度は、真実を語っているという印象を私に与えませんでした」と述べました。
一連の事件に詳しいスティーブン・パリー弁護士は、「ライト氏が提出するリストが本物なのか偽物なのかは重要ではありません。重要なのは、本件は2人の判事が『嘘つき』だと述べた男に関する裁判だということです。ライト氏は新たなパンドラの箱を開けるでしょうが、騒動が収束するとは思えません」とコメントしています。
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