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Intel第5世代Xeon「Emerald Rapids」Platinum 8592+レビュー&ベンチマーク公開


2023年12月14日、Intelが第5世代Xeonプロセッサー(コードネーム:Emerald Rapids)を公開しました。Emerald RapidsはAI向けに設計されたプロセッサーで、推論処理パフォーマンスは前世代と比較して最大42%向上しています。テクノロジー系メディアのTom's HardwareはEmerald Rapidsの性能をまとめ、さらにラインナップのうち1万1600ドル(約160万円)で販売される予定のフラッグシップモデル「Platinum 8592+」についてレビューしました。

New 5th Gen Intel Xeon Processors are Built with AI Acceleration in...
https://www.intel.com/content/www/us/en/newsroom/news/5th-gen-xeon-data-center-news.html#gs.264qe5

Intel 'Emerald Rapids' 5th-Gen Xeon Platinum 8592+ Review: 64 Cores, Tripled L3 Cache and Faster Memory Deliver Impressive AI Performance | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/intel-emerald-rapids-5th-gen-xeon-platinum-8592-review-64-cores-320mb-of-l3-and-350w-tdp

Emerald Rapidsのフラッグシップには4つのコアが追加され、デュアルソケットサーバーあたり最大128コア256スレッドになります。L3キャッシュは3倍に増え、フラッグシップにはより高速なDDR5-5600メモリを採用。ダイ・アーキテクチャの大幅な再設計を含むその他の強化により、AI推論処理で42%、一般的な計算ワークロードで21%、ワットあたりのパフォーマンスが36%向上したとされています。


前世代のSapphire Rapidsプロセッサーと同様、Emerald Rapidsプロセッサーは「Intel 7」プロセスと、少し強化されたRaptor Coveマイクロアーキテクチャを活用。Intelは最上位のSapphire Rapidsチップの複雑なクアッドチップレット設計から、合計610億トランジスタを使用するシンプルな2ダイ設計に移行し、より一貫したレイテンシプロファイルを確保しています。設計変更にもかかわらず、Emerald Rapidsは既存のSapphire Rapids「Eagle Stream」プラットフォームとの下位互換性を維持しており、新プロセッサの迅速な市場投入を可能にしています。

Emerald Rapidsは全体的なコア数ではまだ後塵を拝しており、例えばAMDのGenoaはEPYC 9654で最大96コアと、32コアのアドバンテージがあります。そのため、Emerald Rapidsは最も高密度の計算ワークロードではGenoaに及ばないことも。


ラインナップは、クラウド、ネットワーキング、ストレージ、長寿命、シングルソケット、液冷システム向けに設計されたプロセッサーなど、6つの主要な目的ごとに分けられた32のモデルが発表されています。

このうち、Intel Xeon Platinum 8592+は64コア128スレッドのモデル。接尾辞の「+」は内蔵アクセラレーターがそれぞれ1つずつ有効になっていることを示すそうで、追加料金を支払えば、各アクセラレーターを4基までアップグレード可能です。

8592+のコアは基本2.0GHzで動作しますが、すべてのコアで3.0GHzまで、またはシングルコアで3.8GHzまでブースト可能。このチップは320MBのL3キャッシュを搭載しており、これは前世代の同クラスの3倍以上です。

TensorFlow ResNet-50モデルを使用したAIワークロードのパフォーマンステストの結果は以下の通り。Emerald Rapids 8592+は同じ64コアのEPYC Genoa 9554より18%高速です。


一方AlexNetではほぼ同点。


GoogleNetでも同様です。


分子動力学・並列計算のベンチマークが以下。NAMDコードでの結果は96コアのGenoa 9654が断トツ、64コアの9554もEmerald Rapidsに勝っています。


スーパーコンピューティングのベンチマーク。コア数ベースでは依然としてAMDがIntelをリードしています。


その他のベンチマークテスト結果は以下で確認できます。

Intel Fifth-Gen Xeon Emerald Rapids Server Benchmarks - Intel 'Emerald Rapids' 5th-Gen Xeon Platinum 8592+ Review: 64 Cores, Tripled L3 Cache and Faster Memory Deliver Impressive AI Performance - Page 3 | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/intel-emerald-rapids-5th-gen-xeon-platinum-8592-review-64-cores-320mb-of-l3-and-350w-tdp/3

Tom's Hardware は「Emerald Rapidsはテストのあらゆるワークロードで確かな性能指標を記録しました。IntelとAMDの価格比較はほとんどあってないようなものですが、Intelが価格面で非常に競争力のある製品であることは確かです。コア数の多さではAMDが依然としてリードしていますが、多くのベンチマークで見られるように、コア数の多さは万能ではありません。Emerald Rapidsは、AIアクセラレーションと内蔵アクセラレーション・エンジンを活用し、幅広いワークロードで明確な優位性を発揮します」と述べました。

PC機器メーカーのSupermicroは早速Emerald Rapidsを採用したサーバーを発表していて、第4世代と比較してAI推論パフォーマンスが最大67%向上するとうたいました。

CEO Launch Keynote: Supermicro X13 Servers with 5th Gen Intel® Xeon® - YouTube

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in ハードウェア, Posted by log1p_kr

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