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Huaweiの「Mate 60 Pro」は一流スマートフォンOEMと競合できるクオリティであることを証明しつつある


中国のテクノロジー企業であるHuaweiは、2023年8月末にアメリカの輸出規制を回避しながら5Gチップを搭載した最新スマートフォンの「Mate 60 Pro」を発表しました。テクノロジー業界の技術コンサルタントであるTechInsightsは、「Mate 60 Proのテクノロジーを鑑みると、Huaweiはすでに一流のスマートフォンOEMと競合できることを証明している」と指摘しています。

Mate 60 Pro mobile RF architecture proves Huawei can compete with top-tier smartphone OEMs | TechInsights
https://www.techinsights.com/blog/mate-60-pro-mobile-rf-architecture-proves-huawei-can-compete-top-tier-smartphone-oems


Huawei to release "disruptive" products in 2024 after shocking the world this year - PhoneArena
https://www.phonearena.com/news/huawei-more-disruptive-products-coming-2024_id153376

Huawei teases ‘disruptive’ products in 2024 after surprise launch of Mate 60 5G smartphone series | South China Morning Post
https://www.scmp.com/tech/big-tech/article/3244548/huawei-teases-disruptive-products-2024-after-surprise-launch-mate-60-5g-smartphone-series

Huawei Phone Shows China Is Replacing US Suppliers of 5G Tech - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-12-11/huawei-phone-shows-china-is-replacing-us-suppliers-of-5g-tech

スマートフォンメーカーやOEMは多数ありますが、市場全体にサービスを提供しているアプリケーションプロセッサやベースバンド(AP/BB)のベンダーはほんの一握りしかいません。AP/BBベンダーにはMediaTek、Qualcomm、Samsungといったメーカーの他、中国企業のHuaweiやHiSilicon、Unisocがおり、これらの企業だけで全世界のシェアの半分を占めているそうです。しかし、Huaweiをはじめとする中国企業はアメリカと中国の貿易戦争に巻き込まれる形で、アメリカ政府から最新テクノロジーの厳しい輸出規制を受けています。

MediaTek、Qualcomm、Samsungといった企業はチップセットを製造するだけでなく、モデムやRF(アンテナ)を設計したり、AP/BBチップセットに基づいた完全なプラットフォームを提供したりしています。HuaweiのMate 60 Proはこれらの企業に匹敵するRFの開発に成功しているため、Avago・Broadcom・Murata・Qorvo・Qualcomm・Skyworksといった企業が支配するRF市場に競争を生み出す可能性があるとTechInsightsは指摘しました。


TechInsightsは「Mate 60 Proの継続的な分析により、中国企業がアメリカの輸出規制を回避して優れたテクノロジーを開発することに成功していることが改めて明らかになりました。この進歩はSoCだけでなく、5GプロセッサやモバイルRFテクノロジーにも当てはまります」としています。

中国は音響波フィルターの改良技術や、薄膜集積受動素子(IPD)と低温焼成セラミックス(LTCC)に基づくハイブリッド技術を駆使して、高度な(2D)システムインパッケージ(SiP)モジュールとRFフィルタの開発でも飛躍的な進歩を遂げているとTechInsightsは指摘しています。


また、TechInsightsは「Mate 60 Proは中国が西側諸国の競合他社との技術格差を縮めていることを示していますが、2023年になっても完全に埋まっているとは言えません。しかし、中国政府が西側諸国の技術への依存を減らすことに注力していることを考えると、この差は今後も縮まり続けると予想できます」と記しました。

なお、TechInsightsが称賛するテクノロジーが詰め込まれたMate 60 Proですが、Huaweiの消費者部門責任者であるユー・チェンドン氏は「Huaweiは2024年に業界の歴史を書き換える可能性のある破壊的な製品を発売する」と語りました。また、チェンドン氏はHuawei開発のHarmonyOSをベースにしたネイティブアプリや製品のリリース予定もあると語っています。なお、チェンドン氏はより多くのアプリ開発者にHarmonyOS向けアプリの開発を依頼したいと考えているようですが、同OSの次期バージョンではAndroidアプリはサポートされない予定です。なお、HarmonyOSの次期バージョンの開発者プレビュー版は2024年第1四半期にリリースされます。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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