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「中国がAIとスパコンを駆使して兵器開発や暗号解読を行うのではないか」という疑念でアメリカは中国への半導体輸出を取り締まっている


アメリカ商務省産業安全保障局(BIS)は、中国を念頭に半導体関連物品の輸出管理規則を強化する暫定最終規則(IFR)を2022年10月7日に公表しました。この輸出規制は「中国がスーパーコンピューティングとAIを駆使した兵器開発や暗号解読を行おうとしているのではないか」という疑念のもと行われていると報じられており、中国側はBISの決定について「恣意(しい)的で差別的な動き」と批判しています。

With New Crackdown, Biden Wages Global Campaign on Chinese Technology - The New York Times
https://www.nytimes.com/2022/10/13/us/politics/biden-china-technology-semiconductors.html

Tech war: China’s chip industry group asks US to undo trade restrictions for the sake of ‘millions of jobs’ | South China Morning Post
https://www.scmp.com/tech/tech-war/article/3195844/tech-war-chinas-chip-industry-group-asks-us-undo-trade-restrictions

IFRでは、スーパーコンピューターへの使用あるいは中国での半導体開発・生産を目的とした先端半導体の輸出に規制がかけられました。10月12日に国家安全保障担当のジェイク・サリバン大統領補佐官は「小さな庭、高い柵」と題した演説の中で、「基礎技術のチョークポイントは庭の内側になければならず、フェンスは高くなければなりません。なぜなら、これらの競争相手がアメリカや同盟国の技術を悪用して、アメリカや同盟国の安全を損なってはならないからです」と述べています。

また、中国の最大手メモリチップメーカーである長江メモリを含める31社の半導体関連企業がBISの「エンティティリスト」に追加されました。このエンティティリストに登録された企業は、特別な承認なしでアメリカの技術を購入することが禁止される「ブラックリスト」に名を連ねる可能性があり、HuaweiやZTEなどの企業が登録されています。

ニューヨーク・タイムズによると、アメリカの諜報機関は「中国はスーパーコンピューターとAIを駆使して、ステルス兵器や極超音速兵器を開発し、さらにアメリカ政府の暗号化されたメッセージを解読しようとしている」と報告しているとのこと。


実際に中国の半導体技術の進歩はめざましく、これまで高度なチップ生産には日本やオランダの企業が提供する機器が必要とされてきましたが、中国の半導体ファウンドリ・SMICがすでに主要な技術的ハードルをクリアして、TSMC製のチップに匹敵する製品を作り出していると報告されています。また、2021年10月にAI・量子コンピューティング・半導体の専門家会議では、中国の進歩がもたらすリスクが(PDFファイル)言及されています。

ニューヨーク・タイムズは、バイデン政権は潜在的な脅威となった中国が高度なチップにアクセスできないように輸出を規制し、アメリカやその同盟国の競合他者に大きく後れを取らせることを狙っていると主張しています。

しかし、アメリカのこうした動きに対して、中国外務省の報道官は「アメリカの動きは自分たちの技術的覇権を維持することを目的とした防疫措置の乱用である」と厳しく批判しました。

また、中国半導体産業協会(CSIA)は反対の声を上げ、「アメリカ政府の動きは恣意的で差別的なものです。そのような一方的な措置は、半導体業界における世界規模のサプライチェーンにさらなる損害を与えるだけでなく、より重要なのは不確実性の雰囲気を作り出すことです」と述べています。

・つづき

Appleがアメリカの中国に対する輸出規制で中国製チップの使用を取りやめる、輸出規制はどのような影響があって今後どうなっていくのか? - GIGAZINE

by Harald Groven

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in メモ, Posted by log1i_yk

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