Amazonが商品を返品せずに代金の返金を求める返金詐欺を行って数億円を稼いだ犯罪グループを提訴
Amazonが2023年12月7日に、Amazonで購入した商品を返品しないで払い戻しを求める「返金詐欺」で数百万ドル(数億円)を稼いだとされる国際的な犯罪グループ「REKK」を提訴しました。
Amazon_REKK_complaint - DocumentCloud
https://www.documentcloud.org/documents/24203278-amazon_rekk_complaint
Amazon (AMZN) Says Global Theft Ring Swiped Millions in Fake Refunds - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-12-07/amazon-says-global-theft-ring-swiped-millions-in-fake-refunds
Amazon sues REKK fraud gang that stole millions in illicit refunds
https://www.bleepingcomputer.com/news/security/amazon-sues-rekk-fraud-gang-that-stole-millions-in-illicit-refunds/
Amazon sues group that fakes returns so people can get free MacBooks - The Verge
https://www.theverge.com/2023/12/8/23993573/amazon-rekk-refund-return-fraud-lawsuit
Amazonがアメリカ・ワシントン州の連邦地方裁判所に対して提出した訴状によると、REKKはRedditやDiscordといったソーシャルメディアを利用し、「代金を支払わずに商品を手に入れられる」という返金詐欺サービスを宣伝していました。
REKKの顧客は、MacBook Proや車のタイヤなどの高額商品をAmazonで購入した後、REKKに対して商品代金の一部を支払います。そして、REKKはAmazonの内部システムにハッキングを行い、Amazonのサポート担当者に対して賄賂を支払うことで、購入した製品を返品していないにもかかわらず払い戻しを承認させていました。なお、顧客とREKKとの連絡には、メッセージングアプリのTelegramが用いられていたとのことです。
以下は海外メディアのBleeping Computerが公開した、REKKによるAmazonでの払い戻し証明です。
実際にREKKから賄賂を受け取ったあるAmazonの従業員は、3500ドル(約50万円)の賄賂の受け取りと引き換えに10万ドル(約1400万円)相当の商品76点の返金を承認したと明かしています。
こうした状況を受け、Amazonは2023年12月7日に、一連の返金詐欺に関与したとみられるREKKのメンバー20人と、REKKに対して情報提供を行ったとされるAmazonの元従業員7人を提訴しました。Amazonは訴状の中で、「被告の手口はAmazonをだまし、返品が行われない商品の払い戻しを承認させるもので、被告はAmazonとの約束通りに商品を返品することなく、払戻金と商品を確保した」と指摘しています。
Amazonのサイバー犯罪に関する弁護士であるジェイミー・ウェンデル氏は「REKKのような違法返金サービスの利用者は、このサービスによる被害者が実際に存在することを理解すべきです。Amazonでは、このようなサービスを阻止するために、不正行為に対するコミットメントを設定しています」と述べています。
Amazonは2022年だけで12億ドル(約1700億円)もの予算を費やして、不正行為防止のための従業員約1万5000人を雇用しています。Amazonのセラーサービス担当バイスプレジデントであるダルメッシュ・メータ氏は「今回のように不正行為が発覚した場合、Amazonは警告の発信やアカウント停止処分、返金詐欺に関与したユーザーの新たなアカウントの開設防止を行うなど、さまざまな対応策を講じています」と語りました。
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