Amazonが偽造品取引を業界全体で食い止めるための「反偽造品取引所」を設立

偽造品販売業者についての情報を小売業界全体で共有することにより、偽造品を排除していく試みとして、Amazonが「Anti-Counterfeiting Exchange(ACX:反偽造品取引所)」の設立を発表しました。
Amazon Announces Anti-Counterfeiting Exchange to Help Eliminate Counterfeits Across the Retail Industry | Business Wire
https://www.businesswire.com/news/home/20230420005438/en/

New today: ????????️ Introducing the Anti-Counterfeiting Exchange, a new collaboration with participating stores that will help to identify and track fraudsters, allowing customers to shop with confidence and protect their purchases. ????️ https://t.co/3x4oXeghE7 pic.twitter.com/x3uqTvUdlJ
— Amazon News (@amazonnews)
Amazon launches program to identify and track counterfeiters | Reuters
https://www.reuters.com/business/retail-consumer/amazon-launches-program-identify-track-counterfeiters-2023-04-20/

ACXはオンラインショッピングをさらに安全に行えるようにするための取り組みで、模造品の販売業者がさまざまなプラットフォームを転々として販売を続けることを食い止めることを目的としています。ロイターによると、クレジットカード業界のデータ交換プログラムを模倣して、詐欺師を見つけてその戦術を特定するものだとのこと。
ACXでは、偽造品販売者の情報をデータベースに匿名で提供したり、データベースを利用して悪意ある人物との取引を回避したりすることができます。すでにAmazonはACXを通じて、同じ偽造業者がAmazonと少なくとも他の1つのプラットフォームに数百件のアカウントを作成しようとした動きを検出しています。ACXを通じてこの情報が共有されると、ACXに参加している他のすべての店舗がその業者について知ることができ、自分の店舗での業者による販売をただちに止めることができます。なお、ACXの情報を利用するかどうか、どのように利用するかは、各店舗の独自判断です。
Amazonの販売パートナーサービス担当バイスプレジデントであるDharmesh Mehta氏は、「偽造品取引を阻止するには、確認された偽造者に関する情報を共有して、業界全体が犯罪を早期に阻止できるようにすることが重要であると考えます。既知の偽造者に関する情報を共有するためのソリューションを作る方法をリードすることで、偽造犯罪と戦う業界全体の力で、消費者と権利者に大きな安心を提供します」と述べました。
シンクタンク・Center for Data Innovationのディレクター、Daniel Castro氏は「違法な偽造ネットワークと戦うためには、民間企業の積極的な協力が欠かせません。2020年に国土安全保障省は、民間部門の利害関係者に対して、偽造品の不正取引の検出と防止に、積極的な役割を果たすよう呼びかけました。Amazonや他の店舗が呼びかけに応えてACXを設立したのは心強いことです」と、施策を称賛しています。
Amazonは、さらに他の小売店やマーケットプレイスサービスプロバイダーにACXへの参加を呼びかけ、偽造品に対する業界の集団的取り組みを強化していくことを目指しているとのことです。
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