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Amazonが衛星インターネット「Project Kuiper」の人工衛星打ち上げでライバルのSpaceXの力を借りると発表


Amazonは3000基以上の人工衛星を用いて全人類の95%にブロードバンド通信を提供することを可能とする衛星インターネットサービス「Project Kuiper」の構築を進めています。2023年2月にはアメリカの通信規制当局である連邦通信委員会(FCC)から人工衛星の打ち上げ計画の承認を受けアリアンスペース、ブルーオリジン、ユナイテッド・ローンチ・アライアンスといった航空宇宙企業と77基のロケット打ち上げ契約を結んだことも発表していました。これに続き、Amazonは同じく衛星インターネットサービスを提供するSpaceXともロケット打ち上げ契約を結んだことを発表しています。

Amazon's Project Kuiper secures 3 launches with SpaceX
https://www.aboutamazon.com/news/innovation-at-amazon/amazon-project-kuiper-spacex-launch


Amazon to Hire Rival SpaceX to Launch Internet Satellites - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-12-01/amazon-contracts-rival-spacex-to-launch-internet-satellites

Amazon strikes deal with SpaceX for three Kuiper satellite launches
https://www.geekwire.com/2023/amazon-deal-spacex-kuiper-satellite-launches/

A bitter pill: Amazon calls on rival SpaceX to launch Internet satellites | Ars Technica
https://arstechnica.com/space/2023/12/a-bitter-pill-amazon-calls-on-rival-spacex-to-launch-internet-satellites/

現地時間の2023年12月2日、Amazonが地球低軌道(LEO)に打ち上げた人工衛星を用いた衛星ブロードバンドネットワーク「Project Kuiper」の展開計画を支援を受けるために、再利用可能ロケットであるFalcon 9を3基打ち上げる契約をSpaceXと結んだことを発表しました。Project Kuiperで使用する人工衛星は開発当初から異なる打ち上げロケットに対応できるよう設計されているため技術的な心配はありません。また、SpaceXと契約することで展開計画のスケジュール的リスクが軽減されます。なお、Amazonは「アリアンスペース、ブルーオリジン、ユナイテッド・ローンチ・アライアンスから調達した重量物ロケット77基は、Amazonの人工衛星を打ち上げるのに十分な容量を提供しているため、SpaceXとの追加契約は当社の展開スケジュールをサポートするために提供されるものです」と言及しました。

なお、2022年10月27日にAmazonでデバイス&サービス関連のシニア・バイス・プレジデントを務めるデビッド・リンプ氏がWashington Post Liveの生配信に出演し、人工衛星の打ち上げにおいてSpaceXのロケットを利用する可能性を示唆していました。

Amazonが衛星インターネットサービス「Project Kuiper」の衛星打ち上げでライバル・SpaceXを頼る可能性を示唆 - GIGAZINE


SpaceXの再利用可能ロケットであるFalcon 9は2段式の打ち上げロケットで、人や積載物を地球周回軌道やその先まで確実かつ安全に輸送できるよう設計されており、これまでに270回以上の打ち上げに成功しています。AmazonはFalcon 9の打ち上げを3回分契約しており、打ち上げは2025年半ばから行われる予定です。

なお、Project Kuiperでは2023年10月に2基のプロトタイプ人工衛星の打ち上げに成功しており、この時に打ち上げを担当したのはユナイテッド・ローンチ・アライアンスのロケットであるアトラスVでした。この打ち上げは、プロトタイプ人工衛星が宇宙空間での活動に耐え得る設計であるかや、ネットワークアーキテクチャの検証に利用されています。Project Kuiperの人工衛星打ち上げが本格的に始まるのは2024年上半期で、これに先立ち人工衛星の製造を開始する準備を進めているとAmazonは説明しました。そして、2024年下半期には顧客向けにProject Kuiperのパイロットサービスを提供するのに十分な人工衛星の配備が完了すると目されています。

海外メディアのBloombergはAmazonとのロケット打ち上げ契約についてSpaceX側に問い合わせを行っていますが、記事作成時点ではコメントは得られていません。しかし、SpaceXのイーロン・マスクCEOはX(旧Twitter)上で「SpaceXは自社の人工衛星打ち上げを優先することなく、競合他社の人工衛星を打ち上げます。正々堂々と」と投稿しています。


Amazonは当初、Project Kuiperの人工衛星打ち上げを早ければ2022年の第4四半期にも行うことを予定していましたが、相次ぐ試験の失敗やロケット打ち上げパートナー側の問題により、人工衛星打ち上げは遅れ続けていました。

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in メモ, Posted by logu_ii

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