Uber Eatsの食品配達ロボットがカメラ映像を警察に送信していることが内部メールで判明

食品や日用品などの配達を手がけるUber Eatsは、自動配送ロボット企業・Serve Roboticsと提携し、最大2000台の自律型配達ロボットを導入しています。そんな自律型配達ロボットが、稼働中常に撮影を行っていることや、撮影した映像を警察に提供していることが報告されています。

Food Delivery Robots Are Feeding Camera Footage to the LAPD, Internal Emails Show
https://www.404media.co/serve-food-delivery-robots-are-feeding-camera-footage-to-the-lapd-internal-emails-show/

自動配達に積極的に取り組んでいるUber Eatsは、Serve Roboticsと提携し、2022年から自律型配達ロボットのテストを行いました。Uber Eatsはその後、サンノゼやダラス、バンクーバー、ロサンゼルスなどに合計2000台のロボットを配置し、これらのロボットを用いた自動配達を2023年から行っています。

Uber Eatsが自律型配達ロボット2000台を導入へ - GIGAZINE

Serve Roboticsは自律型配達ロボットに関して「AIを利用して自律的に配達を行っています」と主張。さらに「これらのロボットを常にリモートで監視しています」と報告しています。

海外メディアの404 Mediaは、Serve Roboticsは同社の自律型配達ロボットに搭載されたカメラ映像を警察に送信していることを示す、Serve Roboticsと警察の間のメールを公開しています。404 Mediaによると今回警察に映像を送信することになった事件は、ロサンゼルスで発生した、2人組の男性が自律型配達ロボットを窃盗しようとした事件とのこと。結果として窃盗は失敗に終わりましたが、強盗未遂事件としてロサンゼルス市警察(LAPD)による捜査が行われることになりました。

Serve RoboticsはLAPDに対して、ロボットが撮影した盗難の際の映像などを送信。LAPDはServe Roboticsから送信された映像を元に捜査を行い、犯人を逮捕。また窃盗未遂による有罪判決を突きつけることに成功しています。

LAPDはServe Loboticsとの提携関係についてコメントを控えたものの、この事件を担当したチカ・エストレラ刑事は「Serve Loboticsから提供された映像がなければ犯人を特定することはできませんでした。ビデオ映像を確認することは犯罪捜査を行う上で非常に重要で、被害者や法執行機関の双方にとって素晴らしいツールになります。Serve Roboticsなどの企業とパートナーシップを結ぶことができれば、より多くの犯罪が解決されるでしょう」と述べています。

Serve Roboticsのコミュニケーション責任者であるテルウェル氏は「私たちは警察から、今回の窃盗未遂事件に関する質問を受け、削除される前に警察に映像を引き渡すように求められました」と述べています。またテルウェル氏は「Serve Roboticsではプライバシーポリシーと関連法に従って、セキュリティ上やむを得ない場合を除いて、撮影した映像を定期的に削除しています」と報告。Serve Roboticsのプライバシーポリシーには「同社の財産や関係者の権利や安全を保護する上で必要と判断した場合、法執行機関や政府当局、警察など第三者と情報を共有する場合があります」と記載されています。

一方で404 Mediaは「Serve Roboticsはビデオを保存する期間や監視を行う際のポリシーなどを明らかにしていません」と指摘。また「Serve Roboticsは料理を注文した顧客のプライバシーだけを守っていて、配達に関係のない地域コミュニティのプライバシーは気にしていないようです」と述べています。