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Appleが中国政府のアプリ配信に対する厳しい規制に直面しているという報道、XやInstagramを追放するか法的処罰を受けるかの二択


中国で政府が承認していないアプリの配信を禁止する規則が導入されることとなり、Appleがこの規則を回避する方法を模索していると報じられています。Appleは中国当局の関係者と面会し、新規則が与える影響について懸念を表明したとのことです。

Apple’s Latest China Challenge: A Crackdown That Could Shrink Its App Store - WSJ
https://www.wsj.com/tech/apple-china-met-to-discuss-beijings-crackdown-on-western-apps-2219afcb


Apple fights to preserve Chinese App Store loophole - The Verge
https://www.theverge.com/2023/9/29/23895650/apple-app-store-loophole-china-firewall-regulation-licensing


これまで中国のiPhoneユーザーは、VPN経由で中国国外のApple IDにアクセスすることで、中国のインターネット大規模検閲システムであるグレート・ファイアウォールを回避し、Instagram・X・Facebook・WhatsApp・YouTubeなどをダウンロードしていました。特に、Xなどのアプリは中国における新型コロナウイルス感染症関連の規制情報や政府への抗議活動の拡散に使われていたとのこと。

そこで、中国国務院の工業情報化部(MIIT)は2023年8月に、国内のすべてのモバイルアプリプロバイダーに対して事業詳細を政府に提出し、配信されるアプリを登録するように義務付ける規則を発表しました。

この規則により、2024年3月以降に登録されていないアプリを配信したプロバイダーは処罰されることになります。つまり、アプリの開発者が政府に事業申請を出して登録されていない限り、中国においてApp Storeで海外のアプリを提供できなくなるというわけです。


政府に事業申請を出して登録されれば、データ転送や検閲の要件に従うことが求められるリスクがあるため、中国国外のアプリ開発者が中国政府に事業申請を出す可能性は低いといえます。そのため、Appleは「アプリ開発者をApp Storeから排除する」か「法的処罰を受け入れる」しか選択肢がなくなります。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、実際に中国当局はAppleに対して、未登録の海外アプリをApp Storeから排除する必要があると告げたとのこと。

中国はAppleにとって重要な市場であり、売上高の約5分の1を占めているため、AppleがMIITによる新しい規則に抵抗しようとするのは不思議ではありません。すでにApple側は中国の当局者と面会を行い、この規則に対する懸念について何度も話し合っているそうです。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Appleはコメントを控えたとのこと。またMIITや中国のインターネット規制当局であるサイバースペース管理局もコメント要請に応じなかったそうです。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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