作画をパワーアップさせたマンガ「秘密の宮園」の原稿差し替え解説

GIGAZINEで連載中のフルカラーマンガ「秘密の宮園」は、アンドロイドと名乗る少女が孤独な少女にいきなり「私と結婚して」と告白する衝撃的なストーリーも印象的ですが、少女たちとSFな世界を描き出す作画のパワーも魅力です。制作スケジュールを練り直している間に、スケジュールが忙しくて作画が荒くなっていた部分を作者が手入れしてくれたため、どこがどのように変更されたか解説していきます。

マンガは無料で1話から一気に読むことができます。最新話も2023年9月14日ごろ更新予定のため、ぜひ奥深いストーリーと美麗な作画を堪能してみてください。

「秘密の宮園」を1話から読む！

以下は「秘密の宮園」第1話の4ページ目。本編開始となるページで、主人公の花音(かのん)が登場するシーンでもあるため、より気合を入れて加筆しました。

また以下のページでは、初めて足元がアップになるコマのため、設定に準じたデザインを丁寧に描写し直しました。合わせて、左側のコマは引きの絵ということで粗めになっていましたが、こちらもより丁寧に描き直されました。

第1話で最も大きく変更されたのが以下のページ。花音が凛音(りおん)と初めて会う直前のページとなり、重要なシーンのため全体的にキャラクターをより魅力的に伝わるよう変更されています。

重要なシーンやメリハリをつけたいシーンでは、よりキャラクターを印象的な絵で見せたいとこだわっています。以下のページは「突然出会った凛音にアンドロイドだと告げられ、慌てる花音」という描写がより真に迫るように、「何アイツ！」と焦る花音の表情がより伝わるよう作画のクオリティを上昇。

一方で、重要ではないコマや引きの絵ではある程度曖昧に描いても問題ないですが、以下のコマでは1コマ目の凛音と2コマ目の花音および黒服の男とで作画の差が大きく、逆に2コマ目が目立ってしまっていたため、細かく加筆修正しています。

第1話は扉絵もリライトしています。左が元の扉絵、右がより詳細に描き直された扉絵。ただ、本編と違って扉絵ではある程度曖昧な線でもデザインとして問題なく、相談した結果「元の絵の2人が溶け合っている感じが雰囲気として良い」となったため、扉絵に関しては本編のページが差し替えられていません。

「秘密の宮園」第2話でも何点か加筆修正が加えられています。以下のコマでは、赤髪の凛音についている白いパーツが抜けていたので追加。

また、第2話ではクラスメイトのキャラクターが複数登場しますが、元の原稿ではクラスメイトのデザインが曖昧になっているコマが複数ありました。クラスメイトたちは第5話でも再登場し、今後重要な役割も見せるとのことなので、初登場する第2話でより魅力的になるよう何点か描き直されています。

以下のページでも同様に、クラスメイトを中心に加筆。

以下のページでもクラスメイトが描き直されています。特に、4コマ目の緑色の髪の毛のキャラクターは、衣装のデザインが特徴的になっているため、最初の作画時にどんな服の構造になっているか苦戦しながら調整していました。

第2話終盤の、花音と凛音が2人きりになるページ。より印象的なツーショットにしたかったため、2人をしっかり描き直しています。

第2話も扉絵の加筆が検討されました。左が元の扉絵、右が今回新しく描いた扉絵。

このように、少しでも作品を面白く読んでもらえるように原作・作画ともに気合を入れていますので、引き続き「秘密の宮園」を応援よろしくお願いします。また、今回の作画修正はログイン不要の感想・誤字指摘フォームにいただいた感想も参考にしています。ぜひ応援のご意見でもミスを発見した場合でもどしどしご連絡いただけると励みになります。