Googleが検索エンジン市場において独占禁止法に違反しているかどうかを巡る裁判がスタート
「Googleが検索エンジン市場を違法に独占しているかどうか」を巡ってアメリカ司法省と州司法長官のグループが提起した裁判が、2023年9月12日からワシントン連邦地方裁判所で行われます。この訴訟はビッグテックの支配力と影響力に対する過去数十年で最大の法的挑戦であり、業界の独占に関する戦いの先駆けになる可能性があるとのことです。
Google goes to trial in biggest US challenge to tech power in decades | Google | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2023/sep/11/landmark-google-antitrust-trial-doj
Explainer: Why is the US suing Google for antitrust violations? | Reuters
https://www.reuters.com/legal/why-is-us-suing-google-antitrust-violations-2023-09-11/
Google's Antitrust Trial Starts Today. Here's What It All Means. | Barron's
https://www.barrons.com/articles/google-antitrust-trial-key-issues-49b2cde1
司法省と州司法長官のグループは2020年に、Googleを「検索エンジン市場における独占禁止法違反」で提訴しました。Googleは検索エンジン市場において圧倒的な優位性を誇っていますが、GoogleはiOSのデフォルト検索エンジンに設定されるためにAppleへ巨額の支払いを行っていることが指摘されているほか、Samsungやその他のスマートフォンプロバイダーともGoogleをデフォルト検索エンジンにするための契約を結んでいます。司法省や州司法長官のグループは、Googleはこうした慣行によって違法に独占状態を維持し、競争他社に対して不当な参入障壁を形成していると主張しています。
Googleが「独占禁止法違反」で司法省から提訴される - GIGAZINE
この訴訟についての裁判が、9月12日からワシントン連邦地方裁判所で開かれます。今回の裁判はアメリカで一般的な陪審員を用いた裁判ではなく、陪審員制度を用いずに裁判官のみで審理を行うベンチトライアルで実施されるとのこと。審理を担当するのは、2014年に当時のバラク・オバマ大統領から任命されたアミット・メータ判事であり、この点は司法省側にとって有利に働くのではないかと指摘されています。
8月に公開された書類の中で、メータ氏はGoogleに対して提起された「Google検索結果のデザインがExpediaやYelpなどの競合他社に損害を与えた」といった複数の告発を破棄し、「Googleは検索エンジンの優位性を不当に維持した」という告発にのみ焦点を絞りました。メータ氏は8月の意見書で、「Googleのブランド名は非常にユビキタスなものになり、辞書はそれを動詞として認めています」「独占的な力を持つ企業が違法だと認定されるのは、その行為が競争を阻害する場合に限られます」と述べました。
GoogleとAlphabetの国際問題担当プレジデントを務めるケント・ウォーカー氏は9月に公開したブログで、「私たちは裁判で、Googleの検索配信契約がサービスの質と消費者の嗜好(しこう)に基づいた、ブラウザやデバイスメーカーの選択を反映していることを証明する予定です」「要するに、人々はGoogleを使わなければならないから使うのではなく、使いたいから使うのです」「当社のサービスの宣伝と配布が、合法かつ競争を促進することを裁判で示すのを楽しみにしています」と記しています。
これまで数十年にわたりビッグテックはあまり決定的な規制を受けてきませんでしたが、今回の訴訟結果によっては、ビッグテックに対する風当たりが大きく変化する可能性があります。訴訟手続きを公開するよう求めた非営利団体・American Economic Liberties Projectの上級弁護士であるキャサリン・ヴァン・ダイク氏は、「Googleの検索裁判は、数億万人ものアメリカ人がどのようにインターネットにアクセスし、利用するのかを左右するものであり、私たちのデジタル世界に大きな影響を与えるでしょう」と述べました。
ロイターによると、連邦地方裁判所での審理は約10週間続くとみられており、判決が下るのは2024年に入ってからとみられるとのことです。
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