友人や知人の陰口をたたいたり評判を落とそうとしたりする傾向が強い人は子どもが多いとの研究結果

一般的に誰かの陰口をたたいたり、気に入らない相手の評判を落として集団から排除したりすることは、好ましくない行いだとされています。ところが新たな研究では、こうした「間接的な攻撃性」が高い人は誰かと恋愛関係にあったり、より多くの子どもを持ったりする可能性が高いという結果が示されました。
Relational Aggression and Lifetime Offspring: A Preliminary Study in a Large Community-Based Sample of Polish Adults | Evolutionary Psychological Science | Springer Nature Link
https://link.springer.com/article/10.1007/s40806-025-00440-8
Gossiping and manipulation linked to higher fertility in new psychology study
https://www.psypost.org/covert-hostility-may-offer-reproductive-benefits-in-modern-humans/
人間の攻撃はそのやり方に基づいて、大きく2つのカテゴリに分けられます。1つは殴打や怒鳴り声といった身体的・言語的攻撃を指す「直接的な攻撃」で、もう1つは巧妙なやり口で被害者の社会的地位や人間関係を損なう「間接的な攻撃」です。
間接的な攻撃の方法には、相手の評判をおとしめる陰口をたたいたり、友人関係を解消したり、相手を孤立させるために他人を操ったりすることが含まれます。進化論的な観点からすると、直接的な攻撃には自らもケガをしたり社会的に追放されたりするリスクがある一方、間接的な攻撃は相手の被害を最大化しつつ、攻撃した本人は身体的な報復や非難から比較的逃れやすいとのこと。
進化心理学は、人間の心理メカニズムの多くは何かしらの進化上のメリットがあると仮定する研究アプローチであり、現代人が持っているさまざまな心理的特性が自然淘汰(とうた)によって積極的に形作られたものかどうかを調べています。一部の進化心理学者らは、人間の攻撃的な行動にも自分の縄張りを守ったり、限られた資源を確保したり、交配の機会を増やしたりする進化上のメリットがあると主張しています。
今回、ポーランドのシレジア大学心理学研究所の研究員であるマーシン・モーロン氏は、現代社会において間接的な攻撃が定量化可能な生殖上の利益をもたらすかどうかを検証しました。

モーロン氏は、オンライン調査プラットフォームを通じて参加した1497人のデータを分析しました。被験者はいずれも成人のポーランド人で、年齢幅は18~81歳、回答者の半分強が女性でした。被験者は社会経済的地位や婚姻状況、実子の数などの質問に回答しました。
また、被験者らは間接的な攻撃に対する傾向を評価する一連の質問にも答えました。この調査では間接的な攻撃を、「友人に対する攻撃性」と「恋愛関係にあるパートナーに対する攻撃性」の2つに分類。友人に対する攻撃性は、自分の思い通りにするために陰口をたたいたり関係を断ち切ると脅したりする傾向を、恋愛関係にあるパートナーに対する攻撃性は、配偶者を意図的に嫉妬させようとするなどの傾向を測定しました。
モーロン氏は被験者の攻撃的な傾向と子どもの数について、年齢・性別・社会経済的地位・恋愛関係といった変数を考慮に入れて分析。その結果、友人に対する攻撃性が高い人は、攻撃性が低い人に比べて誰かと恋愛関係にある可能性が高いことがわかりました。
さらに、被験者の年齢や社会経済的要因を調整しても、友人に対する攻撃性が高いほど実子の数が多いことが判明しました。データでは男性と女性の両方において、友人への攻撃性の高さと出産率との間に正の相関関係があることが示されています。

心理学系メディアのPsyPostは、「関係性への攻撃は、同性間の競争における進化戦略として機能する可能性があります。恋愛におけるライバルの社会的地位を低下させることで、自分が望むパートナーを引きつける可能性が高まるのです。この戦略は進化心理学において、『rival derogation(ライバルの中傷)』として知られています。こうした戦術によって交配の成功率を高めることは、最終的に生涯を通じてより多くの子孫を残すことにつながる可能性があります」と述べました。
なお、今回の研究でみられた攻撃性が子どもの数に及ぼす影響は比較的小さく、年齢や婚姻状況といった要因の方がはるかに影響度が高かったとのこと。また、データは特定の時点で収集されたものであるため、「友人への攻撃性が高くなると、子どもの数が増えた」といった因果関係は導けない点に注意が必要です。
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in サイエンス, Posted by log1h_ik
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