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フォルクスワーゲンの自動運転車がアメリカで試験運転を開始


ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンが、アメリカ・テキサス州オースティンで自動運転車技術のテストをスタートしました。オースティンでは他にも複数の企業が自動運転車のテスト走行を実施しています。

Austin to be first US testground for Volkswagen autonomous vehicles
https://www.statesman.com/story/business/technology/2023/07/06/driverless-cars-volkswagen-austin-vehicles-autonomous-driving-program-first-vw-us-testground/70385139007/


VW will test its autonomous ID Buzz in the US starting this month - The Verge
https://www.theverge.com/2023/7/6/23784813/vw-autonomous-vehicle-id-buzz-test-austin-mobileye

Volkswagen will start testing its driverless ID. Buzz in Austin, Texas | Ars Technica
https://arstechnica.com/cars/2023/07/volkswagen-starts-an-autonomous-driving-pilot-program-in-texas/

VW kicks off its first US autonomous driving pilot with ID. Buzz EVs | Electrek
https://electrek.co/2023/07/06/vw-us-autonomous-id-buzz/

Volkswagen-Mobileye autonomous vehicle tests to launch in Austin
https://www.cnbc.com/2023/07/06/volkswagen-mobileye-autonomous-vehicle-tests-to-launch-in-austin.html

フォルクスワーゲンがアメリカで自動運転車のテストプログラムを開始しました。このプログラムでは、自動運転企業・Mobileyeが開発した自動運転技術を搭載した自動運転車と、小規模な電子IDを用いたテクノロジーがテストされます。


フォルクスワーゲンとMobileyeは2台の自動運転車からテストをスタートし、2023年末までにテスト車両の台数を10台にまで拡大する計画です。また、フォルクスワーゲンはオースティンでのテスト車両の台数を拡大し、2026年までに少なくともアメリカの4つの都市でテストを実施する予定。

フォルクスワーゲンによると、テストに使用される自動運転車は同社の電気自動車であるID. Buzzに、Mobileyeの自動運転技術(カメラ・レーダー・LiDAR技術など)を詰め込んだもの。テストの初期段階では各車両に人間のドライバーが搭乗し、常に自動運転車の挙動が監視されることとなります。


フォルクスワーゲンはテスト用車両をすでにヨーロッパでの自動運転技術のテストに利用しており、将来的には車両管理や遠隔誘導ソリューションを他のモビリティ企業や交通企業に提供することを計画しています。なお、フォルクスワーゲンは記事作成時点では「専用の配車サービスを自社で構築していない」と述べました。

フォルクスワーゲンはオースティン東部とダウンタウンを含むジオフェンスで囲まれたエリアで車両のテストを実施しており、ゆくゆくはこのエリア外でもテストを実施する予定です。

フォルクスワーゲンの自動運転モビリティおよびトランスポート・アズ・ア・サービス・グループで社長を務めるカトリン・ローマン氏は、同社の自動運転車のテスト地としてオースティンが選ばれた理由を「これまで複数のイノベーションを受け入れてきた実績と、自動運転車のテストに適した環境があるため」と述べました。


ローマン氏によると、フォルクスワーゲンは2024年から利害関係者の「非公開ユーザーグループ」によるテストにつながる包括的なプログラムを実施する予定で、2026年には商用サービスに拡大する計画を温めているそうです。フォルクスワーゲンは配車サービスや商品配達の構築を計画しており、理想的には2026年までに両方のサービスが利用できるようになる可能性があるとしています。

なお、テキサス州では自動運転車が2017年に成立した法律に基づき規制されており、交通法規を順守し、通常の自動車と同様に保険に加入し、動画録画装置を備えていれば、車内に運転手がいなくても車道を走行することが可能です。

テキサス州ではWaymoやGMクルーズなど多くの企業が自動運転技術のテストを実施しており、フォルクスワーゲンもその仲間に加わることとなります。特に近年はオースティンが自動運転技術のテスト地として好まれており、2016年から数社がテストを行っています。

2023年初頭、テキサス州中部で自動運転車のテストを行った最初の企業のひとつとなったのが、Googleの子会社であるWaymoです。同社はジャガーの電気自動車である「I-PACE」に自動運転技術を搭載し、テストを実施しています。

なお、Waymoはすでにアメリカの複数都市で自動運転車技術のテストを実施しており、サンフランシスコの道路で小型犬との衝突事故を起こしたことが報じられています。

Waymoの自動運転タクシーが小型犬と衝突して死亡させる事故が発生、「避けられない事故だった」とWaymoは主張 - GIGAZINE

by Daniel Ramirez

ゼネラルモーターズの子会社であるGMクルーズは、2022年秋からオースティンで自動運転技術のテストを実施しており、2022年12月には一般向けに自動運転車を用いた配車サービスの提供を開始しています。同社は2023年3月のサウス・バイ・サウスウエスト期間中には運転席・ハンドル・ペダルがない無人タクシーの「オリジン」をオースティンでテストすると発表しました。このオリジンは記事作成時点では一般公開されていませんが、数カ月以内に完成する可能性があるとGMクルーズは言及しています。

フォードとフォルクスワーゲンが支援する自動運転車技術開発のArgo AIも、2022年に閉鎖されるまでオースティンでの自動運転技術のテストを実施しており、Lyftやウォルマートと配車・配達サービスで提携していました。なお、Argo AIの閉鎖に伴い、同社の従業員はフォードやフォルクスワーゲンで自動運転技術の開発に移行したと報じられています。

フォルクスワーゲン・コマーシャル・ビークルの取締役会メンバーであるクリスチャン・ゼンガー氏は、同社の自動運転車事業にはArgo AIの元従業員も含まれると認めていますが、Argo AIが取ってきたのとは異なるアプローチが採用されると言及しています。ゼンガー氏はフォルクスワーゲンの自動運転車プログラムを北米地域全体に拡大することが、同社の自動運転車技術の世界的ロードマップにおける次のステップになると述べています。

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in ソフトウェア,   ハードウェア,   乗り物, Posted by logu_ii

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