無料で55インチ4Kダブルスクリーンテレビ「Telly」が配布される予定、2つ目のスクリーンで常に広告を表示
55インチの4K対応ダブルスクリーンテレビ「Telly」が登場しました。Tellyは「スマートスクリーン」と呼ばれるセカンドスクリーン上で常に広告を表示し、他にもニュースフィードや天気予報、スポーツチームの試合のスコアなどの関連コンテンツを表示することもできます。
Telly I The biggest thing to happen to TV since color.
https://www.freetelly.com/
Pluto co-founder is building an ad-supported TV
https://www.lowpass.cc/p/teevee-telly-free-tvs-second-screen
Double-screen ‘free’ TV will show you ads, even when not in use | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2023/05/double-screen-free-tv-will-show-you-ads-even-when-not-in-use/
This free TV comes with two screens - The Verge
https://www.theverge.com/2023/5/15/23721674/telly-free-tv-streaming-ilya-pozin-ads
Tellyは55インチの4K HDRモニターとスマートスクリーン、そして5ドライバーサウンドバーを備えたダブルスクリーンテレビです。テレビ本体には3つのHDMIポートと2つのUSBポート、テレビチューナーが搭載されており、4K対応のAndroid TVをストリーミングするための独自のスティックが付属しています。なお、The Vergeの報道によるとTellyはHuluなどのストリーミングアプリにも対応しているとのこと。この他、HDカメラやマイク、モーションセンサーなども搭載されており、ビデオ通話やフィットネストラッキングなども可能になる模様。
記事作成時点ではTellyの詳細はほとんど明らかになっていません。しかし、最も注目すべきは、Tellyを開発した無料テレビストリーミングサービス「Pluto」が、このダブルスクリーンテレビを無料で配布する予定という点です。ただし、無料でゲットできる代わりに大きな代償を支払うことになると海外メディアのArs Technicaは指摘しています。
Tellyは「広告主が消費者向けにテレビ自体のコストを全額補助し、完全に無料でテレビを提供できるようにすることで、業界のビジネスモデルに革命を起こすことを目指している」と表明しており、Plutoの共同創設者であるイリヤ・ポジン氏も、「企業はテレビに配信される広告で数十億ドル(数千億円)を稼いでいますが、消費者は歴史的にテレビと視聴するコンテンツの両方に料金を支払わなければいけませんでした」と言及。
Tellyは2023年夏に50万台限定で無料配布予定となっており、これをゲットしたい場合は専用のモバイルアプリをダウンロードしてアンケートに回答する必要があります。さらに、Tellyはユーザーの閲覧履歴やアクティビティ履歴を追跡するので、これらの個人情報の収集に同意する必要もあります。
Tellyのスマートスクリーンは右端部分に広告を表示し、左側には「スポンサー付きのニュースフィード」などを表示することになる模様。ただし、Tellyのスマートスクリーンはテレビを使用していない場合でも、いつでも広告を表示することができます。
Tellyの最高戦略責任者であるダラス・ローレンス氏は、「シアターディスプレイ(テレビ本体)を使用していない時は、両方を接続して広告ユニットが楽しく動作する可能性があります。これまでで最も魅力的な広告エクスペリエンスを作成するために、文字通り何百ものアイデアを考えています」と語っています。この他、ローレンス氏によるとTellyの所有者がテレビ上でアンケートに回答すると、スターバックスやNetflixなどのギフトカードを獲得できる報酬システムも開発中であるとのこと。
TellyのViewing and Activity Data Policy(ビューイング&アクティビティデータポリシー)には、Tellyで視聴された映像コンテンツおよびオーディオコンテンツに関する情報が収集される「可能性がある」と記載されている模様。なお、Ars Technicaは「データポリシーのページには異常な数のタイプミスが含まれているため企業への信頼を築く役には立ちません」と指摘しています。
Tellyは収集した顧客データを広告主を含む企業パートナーに提供する「概要分析とレポートの作成」および「オススメコンテンツの生成」などに利用する可能性があるとしています。Tellyが追跡するその他の情報には、「検索クエリ」「設定」「開いたアプリ」「購入またはその他の取引情報」「使ったボタン」「利用時間」「利用頻度」「ユーザーの物理的な存在」などさまざまなものが含まれるそうです。ただし、Tellyは「第三者が視聴データやアクティビティデータから個人情報を特定することはできない」と主張しており、最低限のプライバシーは守られるとしています。
なお、Tellyによる個人情報の収集が気に入らない場合は、データ収集をオプトアウトすることも可能です。ただし、その場合はテレビ本体の料金を請求するとポリシーページに書かれています。記事作成時点ではこのポリシーページに請求料金が記されていないものの、少し前のタイミングでは500ドル(約6万8000円)と記載されていました。
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