レビュー

冷水の力で体を冷やす「水冷服 DIRECT COOL」を着用してどれぐらい冷えるのかサーモグラフィカメラでチェックしてみたレビュー


空冷ではなく水冷で背中を冷やしてくれる「水冷服 DIRECT COOL」の仕組みを確認したところで、実際にどれぐらい涼しさが持続するのか着用してみることにしました。

山善 水冷服
https://book.yamazen.co.jp/lp/directcool/


冷凍庫から取り出したばかりのペットボトルをタンクにセット。


しっかりとタンクキャップを閉めます。


スイッチを入れると水の循環が始まります。実際にスイッチを入れて水が循環していくところの動作音はこんな感じ。

「水冷服 DIRECT COOL」のスイッチオン~動作始動ムービー - YouTube


動作音はおおよそ50dB前後。金魚の水槽に入れているポンプのように継続的に「ブブブブブ……」という音が続くほか、体を動かしたときに水の流れが変わって「チャポン」というような水音がします。静かな環境にいる場合、「なんかずっと音が響いてくる」となりますが、たとえばしゃべっている人がいる喫茶店や、軽めのBGMが流れている環境などだとかき消されます。また着用している自分自身も、だんだん音に慣れてくるので、運転が続いているかどうかはわからなくなってきます。


稼働開始から2~3分で、室温と循環水との温度差が大きいため、パイプの周囲に水滴がつきはじめました。


赤外線サーモグラフィカメラ「FLIR i3」で確認すると温度はこんな感じ。パイプ部分が相当冷えているのが分かります。


着用前の体はこんな感じ。背中の中央部分は服の上で28.5℃ぐらい。


そして水冷服を背負ったところ。バッグの外側は23℃ぐらい。


実際に「水冷服 DIRECT COOL」を着用した結果、3時間以上は「ひんやりしている」という感覚が持続しました。公式サイトによれば、冷却効果は「650mlのペットボトル1本で、一般仕様(DC-B01S)で約2~3.5時間」。これは使用環境33℃、湿度70%、タンク内水温26.9℃以下の時間だとのことです。

冷却効果が失われるのは、タンク内のペットボトルの温度が上がってしまい循環水を十分に冷却できなくなるためなので、ペットボトルを交換すれば再びひんやりしてきます。左はペットボトルがぬるくなっていったん運転を停止したところで、パイプ温度は16.6℃ぐらい。右は凍ったペットボトルに交換して約7分後で、9℃まで下がりました。


交換後のペットボトルは一応飲用可能ですが、冷たさを完全に奪われているため、あまり好んで飲みたい状態ではないかも。

バッテリーをそのままで使い続けたときの連続稼働時間は、「連続運転モード」で実測8時間超でした。これはスペックシート記載の「約7時間」を超えるものです。なお、ポンプが常に作動し続ける「連続運転モード」のほかに、ポンプを20秒作動させたのち45秒停止する「ミドル運転モード」、ポンプを20秒作動させたのち1分30秒停止する「ロング運転モード」があり、1日中体を冷やし続けることも不可能ではありません。

手入れの際は、まずバッテリーを外します。


続いて、バッテリーにつながっていた電源ケーブルを背中上部のポケットのところまで抜きます。


さらに、ポンプにつながっているパイプを2本とも外します。1本はバネつきです。


ポンプをパイプから外したら収納スペースから取り出し、つながっている電源ケーブルをゆっくりと引き抜きます。


今度はタンク上部を固定している面ファスナー2カ所を外します。


タンク裏側のパイプを外します。しっかりと挿入されているので、かなり力を入れないと抜けません。


タンクキャップを周りのゴムをくぐらせて抜き取ります。


これでタンクを引き抜いてバラバラにできます。


あとはそれぞれ陰干しで乾かせばOK。タンクを乾かすときは空のペットボトルを入れておくと早く乾きます。


実際に何日間か使ってみた結果、首筋に凍らせた保冷剤をあてがっているのと同じような効果が安定して得られました。保冷剤だと首筋がびしょびしょになってしまうことがありますが、そういった心配もありません。ペットボトルを交換するとすぐに冷えが復活するのもいいところです。

一方で、ペットボトルをずっと背中に背負っているようなものなので、どこかにしっかりと背中をつけてもたれるためには別途クッションなどを挟む必要があります。また、水冷服の上からリュックを背負うこともやや難があります。このため、「ちょっとした外出時にも涼しさを得たい」というような日常利用はさすがに難しそうでしたが、オフィスや作業場であれば存分に力を発揮してくれるはずです。


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in レビュー,   ハードウェア,   動画, Posted by logc_nt

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