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GoogleがEpic Gamesとの訴訟で「証拠を隠滅」「複数回の虚偽報告」をしていたとして裁判所から制裁を課される


2023年3月29日、GoogleがEpic Gamesとの独占禁止法違反に関する訴訟で、「故意に証拠を隠滅した」という判決を下されました。裁判所側はGoogleに対して制裁措置を講じる必要があるとしています。

FINDINGS OF FACT AND CONCLUSIONS OF LAW RE CHAT PRESERVATION
(PDFファイル)https://storage.courtlistener.com/recap/gov.uscourts.cand.373179/gov.uscourts.cand.373179.469.0.pdf


Judge finds Google destroyed evidence and repeatedly gave false info to court | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/03/judge-finds-google-destroyed-evidence-and-repeatedly-gave-false-info-to-court/

Epic Gamesとアメリカの38の州およびコロンビア特別区の司法長官、Match Groupなどが、集団でGoogleが反トラスト法(独占禁止法)に違反したとして訴訟を提起しました。この訴訟はGoogleが運営するAndroid向けのアプリストアであるGoogle Playをめぐる訴訟で、原告側は「Googleは排除的行為を行うことで、Androidアプリの配信市場を違法に独占し、それがさまざまな形で原告グループに損害を与えている」と主張しています。

この訴訟を担当するカリフォルニア州北部地区・連邦地方裁判所のジェームズ・ドナート判事が、「被告と原告の双方による十分な打ち合わせと、目撃者の証言やその他の証拠を集めた聴聞会の結果、裁判所はGoogleに制裁を加えることが正当である」という判決を下しました。


判決の後半では、「Googleは意図的に証拠開示プロセスを破壊しており、Googleの従業員同士のチャットが『訴訟で使用されることを防ぐために削除された』『別の当事者から情報の使用を奪うために削除された』ことを示す証拠もあります」と述べ、Googleが証拠隠滅を行っていたと指摘しています。

ドナート判事は、2023年2月にGoogleが裁判所命令に応じて作成したチャットについて、「Googleが訴訟ホールド通知に応じて作成したチャットが非常に不十分なものであることを示す新たな証拠となりました」と指摘。


ドナート判事は、Googleが社内で利用しているチャットツールで履歴を自動削除しており、さらに裁判所および原告に「虚偽の情報を提供した」と指摘。具体的には、Googleは社内のデータ管理者がチャットの履歴を保存する設定を有効にせず、24時間ごとにチャット履歴を削除していたとしています。

今回の訴訟の場合、訴訟ホールドの対象となったのはGoogle社員383人でした。このうち約40人が証拠保持者として指定されていました。Googleは対象となった社員全員のチャット履歴を保存するように設定できたものの、そうしなかったとドナート判事は指摘。

また、Googleは2020年10月に「本訴訟で合理的に明らかになる問題に関連するすべての証拠を保存するための適切な措置を講じた」と裁判所側に報告していますが、Googleは2021年10月まで原告側にチャ​​ット履歴が自動削除される設定について明らかにしていませんでした。また、Googleがチャット履歴が自動で削除されるような設定を使用していることを原告側に伝えたのは、チャット設定について尋ねてから何カ月も経ってからです。

ドナート判事は「裁判所は問題の真相を解明するために数回の公聴会を開いたり、大量の証拠書類を検討したりと、かなりのリソースを費やさざるを得ませんでした。しかし、その間、Googleはこの問題を軽視し続けてきました。Googleは『個々の証拠保持者のチャット履歴設定をデフォルトから変更する機能はない』と主張し続けてきましたが、これが間違いであったことは証明されています」と言及。

さらに、「大きな懸念は、Google社内のあらゆるレベルで、チャット履歴設定について隠すような意図が見られたことです。議論されているように、個々のユーザーは訴訟リスクを意識し、チャットの履歴削除機能を評価していました。Googleは、訴訟が開始された後、システム全体ですべてのチャット履歴を保存する能力を持っていましたが、その決定を正当化するのに役立つ財務コストやその他の要因の評価もなかったため、そうしないことを選択したようです」とも述べています。


Googleが訴訟ホールドの対象となる383人の従業員のチャット履歴を保存する設定を有効にすることに同意したのは、2023年2月7日になってからです。

今回の判決により、Google側は原告側の裁判費用を負担することが命じられており、さらに制裁金も課される可能性があります。加えて、非金銭的な制裁をGoogleに課すことも検討されていますが、これにはさらなる手続きが必要となる模様。Epic Gamesら原告側は裁判所に対して「Googleによるチャット履歴削除を是正するための陪審指示」あるいは「賠償的な陪審指示」を求めています。

なお、Googleは2023年2月末にも別の訴訟で証拠を隠滅したと司法省に指摘されています。

Googleが独占禁止法違反訴訟関連の証拠を隠滅したと司法省が発表 - GIGAZINE

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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