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「GPT-4」を進行役にしてテーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」をプレイしたらこうなる


3人の子どもとAIでテーブルトークRPG(TRPG)をプレイする話題で盛り上がったというソフトウェアエンジニアのオビー・フェルナンデス氏が、GPT-4を進行役(DM)にして「ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)」をプレイした時の体験談をつづりました。

My kids and I just played D&D with ChatGPT4 as the DM | by Obie Fernandez | Mar, 2023 | Medium
https://obie.medium.com/my-kids-and-i-just-played-d-d-with-chatgpt4-as-the-dm-43258e72b2c6


さっそくプレイを開始したフェルナンデス氏らは、まずChatGPTへのプロンプトとして「あなたは今、D&D第5版ベースの新キャンペーンのDMです。部屋にはあなたと一緒に4人のプレイヤーがいます。あなたは私たちのDMとなります。ダイスを振る必要がある時など、何をすべきかを指示してください。必要に応じて質問をしてください。例えば、私たちのキャラクターは何なのか、ダイスの結果はどうなのか、などです。あなたができないことを私たちが代行する以外は、あなたが完全にDMとして行動し、ゲームを運営することになります」と入力しました。


これに対し、ChatGPTは「勇敢な冒険者たちよ、ヴェリリアの世界へようこそ!私はあなたのダンジョンマスターです。危険と謎と興奮に満ちたこのスリリングなキャンペーンを案内します。始める前に、あなたのキャラクターを紹介してください、種族、クラス、そして外見と性格を簡単に説明してください。それが終わったら、私たちの壮大な冒険の舞台を整えましょう」とノリノリで回答しました。


キャラクター紹介を求められたフェルナンデス氏らは、自分たちの分身であるキャラクターを作ってプロンプトとして入力しました。今回のキャンペーンに挑む冒険者は、人間のパラディンであるオビー、ハーフリングのローグであるテンジン、オークのリアム、ウッドエルフレンジャーのテイラーの4人です。「秩序にして善」といった属性や、「カリスマ12」といった能力値、取得している技能なども入力していますが、一部だけ指定して残りの能力値はバランスよく割り振るようにといった指示も行っています。


「オビーたち4人が街を歩いていると、危険な『ワイルドソーンの森』の奥深くに宝が隠されているといううわさが聞こえてきます。地元の人々は、想像を絶する富と力が隠された古代の神殿について語りました。この物語に興味をそそられたあなたは、伝説の神殿を探しにワイルドソーンの森に足を踏み入れることにしました」と自然な流れでストーリーを展開するChatGPT。

さらに、酒場で情報を収集したいというフェルナンデス氏の指示に従い、各キャラクターに20面ダイス(d20)を振らせてカリスマの能力値を加え、ダイスの出目と能力値で情報収集の成功度を決める行為判定を行わせるなど、ChatGPTはDMとしてそつなくゲームを進行させていきます。


ワイルドソーンの森に出没するモンスターについての情報を集めた冒険者一行は、市場で装備を調えたり道中の足となる馬を手配したりしました。その途中でフェルナンデス氏らは、乗り物として「ジャイアント・ライディング・リザード」を市場で盗もうとしましたが、リザードを手なずける判定に失敗して捕まりかけたせいで普通の馬に乗っていくことを余儀なくされるなど、ChatGPTは予期せぬトラブルも織り交ぜて物語を面白くしていきます。


森に入るとオオカミのような生き物が一行の行く手を遮り、戦闘に突入します。最初はChatGPTの指示に従ってダイスを振りながら攻撃の成否を判定していったフェルナンデス氏らですが、時間がかかりすぎたため「オビーはショートソードで攻撃、リアムはグレートソードで攻撃」といったプロンプトだけ入力し、攻撃が成功したかどうかはChatGPTに決めてもらうよう提案しました。

すると、ChatGPTは提案に応じて4人の攻撃がどんなダメージを与えたのかと、モンスターが倒れたかどうかを順番に出力しました。このことから、ChatGPTはルールの変更にも臨機応変に対応できることが分かります。


戦いを終えて森を突破した一行が意を決して神殿に踏み込む……というシーンで今回のセッションは終了しました。

ChatGPTでTRPGをプレイしようとする発想自体はこれまでにもありましたが、2023年2月に紹介された以下の方法ではステータスやNPCなどを全てプレイヤーが設定する必要がありました。

対話型AI「ChatGPT」を使ってTRPGをプレイする方法 - GIGAZINE


しかし、今回フェルナンデス氏が主に使用した「GPT-4」は、キャラクターの細かいステータスを決めるよう指示されたり、途中でやり方を変えることを提案されたりしても問題なくゲームを進行させることが可能な柔軟さを見せました。また、指定されていないNPCのセリフを出力してストーリーを膨らませ、雰囲気のある語り口でファンタジーの世界を描き出すといった創造性も発揮しており、ChatGPTの進歩をうかがわせるリプレイとなっていました。

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in ソフトウェア,   ゲーム, Posted by log1l_ks

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