メモ

アメリカ海洋大気庁が気象予報用スーパーコンピューターを廃止しGoogle Cloudに移行


アメリカ海洋大気庁(NOAA)が天気予報に使う高性能コンピューティング基盤の主要プロバイダーとして、Google Cloudを採用しました。従来の専用スーパーコンピューターを中心とする運用から、必要に応じて計算資源を増減できるパブリッククラウドへ移行し、2027年12月までに主要な予報システムを移す計画です。

NOAA’s use of cloud infrastructure grows to include weather prediction models | National Oceanic and Atmospheric Administration
https://www.noaa.gov/news-release/noaas-use-of-cloud-infrastructure-grows-to-include-weather-prediction-models

NOAA ditches weather-predicting supercomputers for Google Cloud
https://www.theregister.com/hpc/2026/07/29/noaa-ditches-weather-predicting-supercomputers-for-google-cloud/5280697

NOAA傘下のアメリカ国立気象局(NWS)は「Weather and Climate Operational Supercomputing System(WCOSS)」と呼ばれる基盤を使い、気象や海洋、気候の予測モデルを日々実行しています。Google Cloudは今後、このWCOSSを動かす主要な高性能コンピューティング基盤を提供します。


NOAAはこれまで、バージニア州とアリゾナ州のデータセンターに設置されたHPE Cray製スーパーコンピューター「Dogwood」と「Cactus」を使用してきました。両システムは2023年に更新され、それぞれ14.5P(ペタ)FLOPSの演算性能を備えていましたが、専用設備では新しいプロセッサへの更新や、計算需要の変化への対応に時間がかかるという課題がありました。

移行先では、第5世代AMD EPYCプロセッサを搭載するGoogle Cloudの仮想マシン「H4D」が中心的な計算基盤となります。H4Dは低遅延ネットワークを介して多数の仮想マシンを連携させ、大規模な数値気象予測をスーパーコンピューターのように並列実行できるよう設計されています。


クラウド化の利点は、ハリケーンシーズンなど計算需要が高まる時期に処理能力を増やし、需要が落ち着けば縮小できることです。NOAAのニール・ジェイコブス長官は、オンプレミス型システムに伴う従来のボトルネックをなくし、研究段階の新技術を実際の予報業務へ移すまでの時間を短縮できると説明しています。

Googleとの契約は、従来型の数値気象予測だけでなく、AIを利用した予報モデルの導入にも関係します。NOAAはGoogle DeepMindなどの技術を利用して「AI Global Forecast System(AIGFS)」の開発を進めており、従来の予報モデルよりコンピューターの計算量を99.7%削減し、数時間かかっていた予報生成を数分に短縮できるとしています。


NWSは予報計算の基盤だけでなく、各地の気象台がデータを分析し、警報を発信するためのシステムについてもクラウド化を進めています。2026年3月には、クラウド上で動作する「HIVE」と「CIRRUS」の開発や運用を担う企業として、アクセンチュアとブーズ・アレン・ハミルトンを選定しました。

NOAAは今回の移行について、国家規模の実用的な数値気象予測をパブリッククラウド上で運用する世界初期の事例になると説明しています。ただし、専用スーパーコンピューターを直ちに停止するわけではなく、既存システムから予報モデルや関連ソフトウェアを段階的に移し、2027年末までの移行完了を目指します。

・関連記事
AIで「まだ起きていない自然災害」を予測、拡散モデルで異常気象リスク計算の限界克服へ - GIGAZINE

AMDがオークリッジ国立研究所と共同で気象予測AI基盤モデルの「ORBIT-2」を開発 - GIGAZINE

NVIDIAが天気予報AI「Earth-2」シリーズの新モデル3種を公開、最大15日先の気温・気圧・風速・湿度を予測可能 - GIGAZINE

機械学習で従来の3500倍以上高速かつコストが10万分の1に抑えられる気象予測モデル「NeuralGCM」をGoogle Researchが公開 - GIGAZINE

NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが気候研究のブレイクスルーにAIと高速コンピューティングが役立つと言及 - GIGAZINE

in メモ, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article The U.S. National Oceanic and Atmospheri….