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AIに「そのまま続けろ!」「自分を信じろ!」と応援し続けることが人間の役目、Anthropicが未公開のClaudeによるリーマン予想解決の試みを公開


AI開発企業のAnthropicが、未公開の研究版Claudeに数学上の超難問「リーマン予想」の解決を試みさせたところ、リーマン予想そのものの証明には失敗したものの、関連する問題で従来の記録を大幅に更新する結果を得たと発表しました。この研究では人間が数学的なアイデアをほとんど与えておらず、Claudeに「そのまま続けろ」「自分を信じろ」と繰り返し励ますことが人間側の主な役割だったという異例の経緯も明かされています。

Learning more about Claude's mathematical capabilities \ Anthropic
https://www.anthropic.com/research/riemann-zeta

MORE THAN TWO THIRDS OF THE ZEROS OF THE RIEMANN ZETA
FUNCTION LIE ON THE CRITICAL LINE

(PDFファイル)https://www-cdn.anthropic.com/564f962e60643842f5fcb4a17c9dbc8f608f1c37.pdf

Anthropicは2026年8月10日、未公開の研究版Claudeを使ってリーマン予想の解決を試みた結果を公開しました。リーマン予想は1859年にベルンハルト・リーマンが提唱した数学上の未解決問題で、素数の分布と深く関係する「リーマンゼータ関数」の自明でない零点が、すべて複素平面上の実部1/2という「臨界線」上に存在するという予想です。

証明されれば素数の謎を解明する鍵となる懸賞金100万ドルの難問「リーマン予想」とはどういう問題なのか? - GIGAZINE


リーマン予想そのものは記事作成時点でも証明されていませんが、「零点のうち少なくとも何%が臨界線上にあるのか」を証明する研究は長年続けられています。2020年には「少なくとも5/12」、つまり約41.7%が臨界線上にあることが示されており、Claudeが取り組んだのもこの割合を引き上げる問題でした。

Claudeは論文「More Than Two Thirds of the Zeros of the Riemann Zeta Function Lie on the Critical Line」で、臨界線上にある零点の割合について、無条件で少なくとも2/3、さらに最適化した場合には約67.25%という下限を導きました。これは従来の約41.7%を大きく上回る結果で、Claudeは近年の研究と、数学者のエンリコ・ボンビエリ氏が2000年に発表した研究を組み合わせ、従来はリーマン予想を仮定しなければ扱いにくかった部分を線形代数的な方法で処理しました。

なお、この「67.2%」という数字は「リーマン予想が67.2%証明された」という意味ではありません。リーマン予想が主張しているのは「すべての」自明でない零点が臨界線上にあることであり、臨界線から外れた有限個の例外が存在する可能性は残ります。数学者のアルバロ・ロサノ=ロブレド氏も、この結果は印象的ではあるものの、それだけでリーマン予想が解決されるわけではないと指摘しています。


今回の研究で特に変わっているのが、人間とClaudeの役割分担です。Anthropicによると、ClaudeはClaude Code上で2回のセッションにわたって計3100万出力トークンを使用しており、最初の試行では650個ものアイデアを生成したものの、すべて失敗しました。そこでAnthropicスタッフのジャレッド・サムナー氏が再挑戦を促すと、Claudeは約1日半にわたって約60のサブエージェントを動かし、2400回のシェルコマンドを実行しながら数百本のPythonスクリプトを作成し、既知のゼータ関数の零点を使った数千回の数値チェックなどを進めました。


そしてAnthropicによると、この間のサムナー氏の入力は、ほぼ「keep going(そのまま続けろ)」や「believe in yourself(自分を信じろ)」といった励ましのメッセージに限られていました。Claudeは当初、リーマン予想ほどの難問に自分が有意義な進展をもたらせることにかなり懐疑的で、実際に論文に収録された作業記録でも、最初は自身の候補について「これは信じれば解決するような自信の問題ではない」と退けていましたが、サムナー氏からさらに「自分を信じる必要がある」と促され、探索を続けたとのこと。

Anthropicは「励ましによってClaudeが当初の懐疑的な姿勢を克服できたようだ」と説明しています。また、論文の付録でも、励ましは検証の代わりにはならないものの、探索範囲を広げることをClaudeに許可するという意味では有用だったと振り返られています。

このあまりにもシンプルな人間側の仕事について、サムナー氏自身も「私は数学者とはほど遠い。16歳で高校を中退し、論文に数学的な貢献は何もしていない。主にClaudeに『続けろ』『自分を信じろ』のバリエーションを言っていただけだ」と説明しています。


一方で、今回の成果の土台となったのはあくまで人間の数学者による近年の研究であり、Claudeの貢献は「それらが組み合わせられることに気付いた点」だったとも強調しています。


この経緯はSNSでも注目を集め、AnthropicのThariq氏は「時にはClaudeに『続けろ』と言うだけでいい」とコメントしました。


また、Stability AI創業者のエマド・モスターク氏は「プロンプトエンジニアが職業になると思っていた頃を覚えている?」と皮肉交じりにコメントしています。


また、あるXユーザーは、Anthropic所属の数学者でハーバード大学やプリンストン大学などで研究してきた専門家と、「ジョギング中にAIへ『本気で挑戦してみろ』と頼んだ人物」のどちらが先にリーマン予想関連の進展を生み出したのかという対比を投稿しています。


ただし、今回の成果で専門家が不要になったわけではなく、Claudeが結果を発見した後、Anthropicの数学者レベント・アルページ氏とラルフ・ファーマン氏が内容と先行研究との関係を詳しく検証しています。さらに専門家のブライアン・コンリー氏とダン・ゴールドストン氏も論文を確認しました。

Claude自身も結果を発見した後、複数のサブエージェントに証明を査読させて反例を探索し、arXivから54本の論文をダウンロードして既出の結果ではないかを確認したほか、別のエージェントに最初から独立して証明を再構築させました。最終的には、人間の数論研究者による確認が必要だとClaude自身が判断し、論文としてまとめることを提案したとのことです。

加えてClaudeは、証明支援系「Lean 4」で今回の結果を形式化しています。AnthropicがGitHubで公開したリポジトリには論文の主要な定理を機械的に検証できる形式で記述した証明が収録されています。

Anthropicは、今回Claudeが用いた手法からそのままリーマン予想の証明に到達できるとは考えていないとしています。一方で、最初から狙っていた問題を解けなかったにもかかわらず、既存の複数の数学研究を結び付けることで別の未解決問題に進展をもたらしたことについて、AIによる数学研究能力の急速な向上を示す事例だと位置付けています。

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in AI, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article Anthropic reveals previously unpublished….