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Google DeepMindがロボット向けAIモデル「Gemini Robotics 2」を発表、歩行から両手の細かな作業まで全身を制御可能に


Google DeepMindが2026年7月30日、ロボットの歩行や姿勢制御、物体操作などを統合して実行できるAIモデル群「Gemini Robotics 2」を発表しました。人型ロボットを足先から指先まで動かせるほか、複数のロボットによる共同作業や、異なる機体への短時間での適応にも対応します。

Gemini Robotics 2 — Google DeepMind
https://deepmind.google/models/gemini-robotics/vla/

Gemini Robotics 2 brings whole body intelligence to robots — Google DeepMind
https://deepmind.google/blog/gemini-robotics-2-brings-whole-body-intelligence-to-robots/

Gemini Robotics ER 2
https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/google-deepmind/gemini-robotics-er-2/

従来の産業用ロボットの多くは、あらかじめ設定された限られた動作を繰り返すように設計されています。また、あるロボットで学習した動作を、形状やセンサー構成が異なる別のロボットへ移すことも容易ではありません。


Gemini Robotics 2は、カメラ映像と言語による指示を受け取り、ロボットの動作へ変換するVLA(視覚・言語・行動)モデルです。Google DeepMindは、卓上型のロボットアームから全身型の人型ロボットまで、さまざまな形状や大きさの機体を同じモデルで制御できると説明しています。

実際にGemini Robotics 2で動作する人型ロボットの様子が以下のムービーで公開されています。

Intelligent whole-body control with Gemini Robotics 2 - YouTube


Gemini Robotics 2は人型ロボットに、腕だけでなく、歩く、しゃがむ、体を伸ばす、重心を移動させるといった全身の動きを組み合わせられます。ApolloとInspire製ロボットハンドを使った評価では、テーブル上の物体を持ち上げる作業の成功率が68.4%、床から持ち上げる作業が45.7%、棚から持ち上げる作業が76.3%でした。


また、Gemini Robotics 2は2本指のグリッパーを使った細かな物体操作にも対応します。Franka Duoを使った評価では、一般的な物体の移動作業で74.2%、さまざまな工具を箱に詰める作業で78.9%、精密な部品挿入で89.6%の成功率を記録しました。


さらに22自由度を備えた5本指のSharpa製ロボットハンドでは、電球を外す作業で92%の成功率を記録しました。一方、電球を取り付ける作業は36%、ごみ袋を結ぶ作業は44%、ちり取りを扱う作業は32%、ジッパー付き袋を閉じる作業は40%で、多指ハンドによる複雑な操作には依然として課題が残されています。


以下のムービーはGemini Robotics 2と5本指のロボットハンドで細かい作業を行わせたところ。

Advanced dexterity with Gemini Robotics 2 - YouTube


そして、ロボットが長い作業手順を理解するための上位モデルとして、「Gemini Robotics ER 2」も発表されました。ER 2は周囲の状況を観察して作業手順を立て、VLAモデルへ動作を指示しながら進捗を確認する役割を持ち、数分間にわたる作業で数百回の判断を行えます。

Gemini Robotics ER 2は実機のVLAモデル、シミュレーション上のVLAモデル、人間による遠隔操作という3種類の制御方式すべてで、従来のGemini Robotics ER 1.6を上回るタスク統括性能を示しました。動画から作業の進み具合を5段階に分類する評価では正解率57.4%、重要な出来事が起きた瞬間を特定する評価では正解率91.3%、正解フレームとの平均的なずれは0.96秒を記録し、より大規模なモデルに近い精度を計算負荷を抑えながら4倍の実行速度で実現したとされています。また、映像からの成否判定、計器の読み取り、空間に関する質問応答、安全指示への従属、人間の接近検知でもER 1.6や他の最先端モデルを上回ったとGoogleは説明しています。

また、作業の途中で失敗が起きた場合には、状況を確認して手順を修正することもできます。さらに異なる種類のロボット同士が情報をやり取りし、1台では完了できない作業を分担する「Multi-robot collaboration」にも対応します。

複数のロボットによるMulti-robot collaborationの実例は以下から見ることができます。

Multi-robot collaboration with Gemini Robotics 2 - YouTube


安全面では、危険な動作指示を拒否できるか、不可能な作業を認識できるか、判断に迷った際に人間へ助けを求められるかを評価する新ベンチマーク「ASIMOV-Agentic」が導入されました。Gemini Robotics ER 2は周囲にいる人間を検知し、人が近づきすぎた場合に安全機能を呼び出してロボットを停止させることもできます。

さらに、Google DeepMindはインターネット接続を必要とせずロボット本体で動作する軽量モデル「Gemini Robotics On-Device 2」も発表しました。このモデルは、形状やセンサー、関節数が異なる新しい双腕ロボットでも、通常200件未満の実例と数時間の追加学習で適応できるとされています。

Gemini Robotics ER 2はGoogle AI Studioで提供され、Gemini Enterprise Agent Platformではプライベートプレビューとして利用できます。Gemini Robotics 2とGemini Robotics On-Device 2は、ロボットメーカーなどの早期アクセスパートナー向けに提供されます。

Google DeepMindは、Gemini Robotics 2を単一作業に特化した自動化から、現実世界で幅広い仕事をこなせる汎用的な「フィジカルAI」へ移行するための重要な段階と位置付けています。一方で、移動速度や多指ハンドの精度などには改善の余地があり、人間と同程度の器用さを実現するための開発を今後も続けるとしています。

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