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仮想通貨のマイニングを学校の点検通路内で秘密裏に行い約240万円分の電力を不正利用した人物が起訴される


仮想通貨のマイニングは大量の電力を消費します。そのため、盗んだ電気をマイニングに流用するケースも確認されていますが、アメリカ・マサチューセッツ州コハセットの学校の点検通路内でひそかにマイニングを行なっていた人物が起訴されています。

Former Cohasset employee charged with stealing thousands from town to power cryptomine
https://www.wcvb.com/amp/article/cohasset-massachusetts-school-employee-power-cryptocurrency-mine/43025932

2021年12月、コハセットのコハセット中学校・高校の職員が点検通路内で複数のコンピューターやワイヤー、換気装置を発見しました。通報を受けたコハセット警察の担当者はこれらの設備を仮想通貨のマイニング用設備と判断し、アメリカ合衆国国土安全保障省のアドバイスを受け、機器の取外しと調査を開始しました。

3カ月にわたる調査の結果、これらのマイニング設備は8カ月間稼働し、合計1万4792ドル(約237万円)もの電気が勝手に使用されていました。コハセット警察は町の施設長補佐であるナディアム・ナハス氏が犯人だと特定し、電力の窃盗罪と器物損壊罪の容疑で起訴しました。なお、ナハス容疑者は2022年3月にコハセットの施設長補佐を辞任しています。

バブソン大学のスティーブ・ゴードン氏は「仮想通貨のマイニングは高性能コンピュータを用いることで、半自動的に数千ドル(約数十万円)を稼ぐことが可能です。しかしマイニングに必要な高性能コンピューターは常に動作している必要があり、その結果大量の電力を消費します」と述べています。


さらにゴードン氏は「ビットコインのマイニングに使用される電力の総量は、スイスなどの小さな国の電力を賄うことができるほどの電力が使われていると推定されています」と述べています。

仮想通貨のマイニングによる電力消費量の増大は各国で問題を引き起こしており、マイニング大国のカザフスタンでは電力不足の深刻化が進んでいるほか、イランは停電防止のために国内のマイニングを一時禁止とする措置を執りました。

またマサチューセッツ州のような比較的大都市でマイニングを行なう場合、地方でのマイニングと比較すると必要な電気代が高額になり、電気代がマイニングによる利益を上回ってしまうとのこと。その結果ナハス容疑者は電気の窃盗に及んだとみられています。


なお、ナハス容疑者は2023年2月23日に行なわれた地方裁判所での刑事裁判に出廷しなかったため、記事作成時点でナハス容疑者に対する逮捕状が発行されています。

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in メモ, Posted by log1r_ut

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