対戦ゲームで敵チームと不正に手を組む「チーミング」をAIで取り締まるための特許をEAが取得
オンライン対戦ゲームなどで本来戦うはずの敵同士が協力して他のプレイヤーを攻撃する行為は「チーミング」と呼ばれ、ゲームバランスを破壊する行為として禁止されていることがあります。そんなチーミングを検出して罰則を与えるシステムについての特許を、Electronic Arts(EA)が取得していると報じられています。
US20220362677 DETECTING COLLUSION IN ONLINE GAMES
https://patentscope2.wipo.int/search/en/detail.jsf?docId=US378634143
EA Patents To Potentially Ban Players For Partnering Up With Enemy Team Members
https://exputer.com/news/industry/ea-punish-players-rival-teams/
EAはチーミングについて、「互いに対立することを意図した2人以上の選手、あるいはチーム、グループ、その他の団体が、他の団体よりも不当な利益を得ることを意図して、共通の目的に貢献するために協力、連携、協働などを行うこと」と定義しています。
EAが特許を取得したのは、プレイヤーの人間関係やプレイ履歴、ゲーム内のやり取りをAIで分析し、不当な協力が検出された場合に報酬の減額や没収、試合からの除外、出場停止、追放などの罰則を与えるというもの。このシステムはEAのマルチプレイヤーFPSやバトルロイヤルゲームで採用される可能性があるとのこと。
プレイヤーの人間関係については、フレンドや所属ギルド、グループ、パーティ、コミュニティなどのメンバーが精査されるとのこと。さらに、ゲーム内チャットやロビーチャット、システムチャットなどもチェック対象になるそうです。加えて疑わしいプレイヤーはこれまでのプレイ履歴を検索され、そのプレイヤーが同じチームに所属していた試合数やその試合に参加していた他プレイヤーの履歴もチェックされます。
そして、敵プレイヤーと協力してチーミングを行っていると結論付けられた後、罰則が適用されます。ただし、EAは罰則という最終的な判断を下す前に、人間のレビュアーによるチェックが入るとしています。そのため、人間によるGOサインがないまま、自動的に罰が下されることはないそうです。
ゲーム関連ニュースメディアのExputerは、この特許のシステムが他プレイヤーとのやり取りをチェックする点に注目し、「この特許は非常に効果的ですが、オンライン対戦で敵と楽しいやり取りができなくなり、悪ふざけもできなくなってしまうと、FPSゲームの楽しさを完全に奪ってしまいます」と述べています。
なお、記事作成時点ではあくまでも特許が取得された段階であり、実際にゲームに組み込まれるのはまだ先になると予想されます。
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