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Meta AIが機械学習を利用してWikipediaの出典をチェックするツールを構築


インターネット百科事典「Wikipedia」の記事にはどういった参考文献を用いたのか出典が求められます。しかし、誰でも編集できるというWikipediaの特性上、出典となった情報源が本文と全く無関係のものだったり、情報源が削除されて記事の品質が低下する可能性があります。これらの問題を解決する方法の1つとして、AIを用いて情報源の整合性を調べることをMetaの研究者が提案しました。

Improving Wikipedia Verifiability with AI | OpenReview
https://openreview.net/forum?id=qfTqRtkDbWZ


Meta wants to supercharge Wikipedia with an AI upgrade | Digital Trends
https://www.digitaltrends.com/computing/meta-wikipedia-bot-citations/

MetaのAIチームに所属するファビオ・ペトローニ氏らが考案した「Side」と呼ばれるシステムは、ニューラルネットワークベースのスキャンにより引用元のリンクを分析し、Wikipediaに書かれた内容と整合性がとれているかを効果的に調べることができるとのこと。

SideはWikipediaに記載された400万件の引用からなるデータセットを用いて学習しており、何十万もの引用を一度に自動的にスキャンできるそうです。記事と出典の間で単語の類似性を調べるだけでなく、出典の内容を文章ごとに分割することで、文章単位での類似性すらも調べることができます。


ペトローニ氏らが行った実験では、人間は70%の確率でSideが選んだ出典の方を好むことが分かったとのこと。ペトローニ氏は「私たちが作ったものはコンセプトの証明であり、今のところ本当に使えるものではありません。これを使えるようにするには、現在あるものよりはるかに多くのデータをデータ化する必要があります」と述べました。

テクノロジー系メディアのDigital Trendsは「Sideは不正な引用を発見することに加え、より良い参考文献を探すことにも役立つでしょう」と指摘。また、少なくとも現時点では引用されたソースの品質を評価する試みがなされていないとし、記事の信ぴょう性を高めるためにはこのようなツールも必要だと述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1p_kr

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