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ロシア語版ウィキペディアのトップ編集者が逮捕される


ベラルーシの報道機関・Zerkaloが「ロシア語版ウィキペディアのトップ編集者がベラルーシ当局に逮捕された」と報じました。逮捕された編集者は、ロシアが新たに定めた「フェイクニュース法」に違反したとされています。

В Беларуси задержали Марка Бернштейна — активиста и популяризатора интернет-энциклопедии Wikipedia.org
https://news.zerkalo.io/life/11113.html

A top Wikipedia editor has been arrested in Belarus - The Verge
https://www.theverge.com/2022/3/11/22973293/wikipedia-editor-russia-belarus-ukraine

新たにフェイクニュース法違反の容疑で逮捕されたのは、ロシア語版ウィキペディアの著名編集者として知られていたマーク・バーンスタイン氏。同氏はロシア語版ウィキペディアの編集回数ランキングでトップ50に名を連ねていたほか、ローカルルールに抵触する記述に関するパトロール活動などの貢献でも知られる人物でした。

報道によると、バーンスタイン氏は新たにロシアが定めた「フェイクニュース法」に違反したとして、ベラルーシの組織犯罪対策当局であるGUBOPikに逮捕されたとのこと。GUBOPikはバーンスタイン氏の写真・ソーシャルメディアのID・勤務先・Wikipediaで使っていた編集者IDなどの個人情報に加えて、バーンスタイン氏の逮捕時のムービーまでも公式Telegramチャンネル上で公開しており、写真には「偽の反ロシア情報を流布した」という一文が記されていたそうです。


第一報を届けたZerkaloは、バーンスタイン氏は今回のウクライナ侵攻の記事を編集したことによって逮捕されたと報じていますが、GUBOPikが公開した情報には、具体的にどの行為がフェイクニュース法に抵触したかは記載されていません。ロシア語版ウィキペディアのTelegramチャンネルでは、ベラルーシとロシアのユーザーに対してパーソナルデータを隠した上で、戦争に関する記事を編集する際にはアカウントを変更してから行うようにアナウンスが行われています。

ロシアは2022年3月7日、当局が「フェイクニュース」と判断した場合に最大15年の禁固刑を科せるという法律を成立させており、連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督庁はウィキペディアに対し、ウクライナ侵攻のページにロシア軍の死傷者数とウクライナにおいて民間人がどのように殺害されているかに関する記述があるという理由で、ウィキペディアをブロックするという通達を行ったと伝えられています。

Roskomnadzor (Russian censorship agency) has threatened to block all of Wikipedia from Russia due to its "Russian Invasion into Ukraine" article. Their main gripes: it lists Russian soldier casualty figures and describes how Ukrainian civilians/children are being killed. https://t.co/BvjttdEHrP

— Aric Toler (@AricToler)


ウィキペディアを運営するウィキメディア財団の広報担当者は今回の一件に対し、「財団の信頼・安全・人権チームがウクライナで進行中の危機を監視してきました。安全確保とニーズに対応するために、この地域におけるコミュニティと連絡を密にしています」とコメントしています。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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