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なぜAmazonは「謎の企業が販売する聞いたこともないブランド名の製品」であふれているのか?


Amazonでさまざまな製品を購入しようとした人であれば、検索結果に「謎の企業が販売する聞いたこともないブランド名の製品」が大量に引っかかった経験があるはず。一体なぜ、Amazonにはこうした製品があふれているのかについて、元ポーカープレイヤーで起業家のコール・サウス氏が解説しています。


サウス氏はAmazonで謎のブランドを販売する企業の例として、「DOTTAVR」という売り手を取り上げています。DOTTAVRは実に20%ものネガティブなフィードバックを受け取っていますが……


その連絡先はでたらめであり、たとえ購入した製品の不具合や欠陥で負傷したとしても、救済される可能性はかなり低いとのこと。実際、過去にはAmazonで購入した格納式の犬用リードで片目を失明した女性が、製品を販売した「The Furry Gang」という企業の代表者が見つからなかったとしてAmazonに対して訴訟を起こしました。サウス氏は、こうした悪質な販売業者がAmazonで横行する根本的原因について、Amazonが海外の製造業者や販売業者を無節操に招き入れているからだと指摘。「これは顧客の安全にひどい影響を及ぼし、Amazonを完全ながらくたのフリーマーケットに変えています」と批判しています。


サウス氏は、Amazon上で活動する悪質な販売業者の90%以上は中国の企業だと指摘。これらの企業が表に出す名前は偽のものであり、たとえ危険な製品を販売したとしてAmazonにBANされたとしても、翌週には新しいアカウントを開設しているとのこと。実際、中国ではAmazonの販売アカウントの売買が大きなビジネスになっているそうで、さまざまな企業が悪質な手法でSEOを混乱させるブラックハットを行ってAmazonのプラットフォームを混乱させているとサウス氏は述べています。

悪質なAmazon販売業者が使う手の1つが、「Amazon従業員に賄賂を渡し、競合他社の広告レポートから収益性の高いキーワードを見つけ出したり、否定的なレビューを残した顧客の電子メールアドレスを入手する」というもの。これらの情報は数百ドル(数万円)ほどで入手可能だとのこと。


また、「すでに販売が停止された商品のページを乗っ取り、同じページで自分たちの新製品を販売し、過去に付いたレビューを新製品のものに見せかける」という手法や……


「『ガンを治す』『農薬』などのキーワードをバックエンドに仕込み、上位に表示されやすくする」といった手法


「多数のボットや下請けに依頼し、自分たちの製品をAmazonの『ほしいものリスト』に大量登録させ、検索結果の上位に表示させる」という手法


「競合他社のAmazonアカウントを乗っ取って画像を勝手に差し替える」といった手法まで考案されています。


サウス氏はこれらの企業について、一般的な企業が入念に確認する「安全性」を軽視しており、非常に危険であると警告しています。「安くて早く到着する商品が購入できればOKで、安全性が損なわれていようが問題ない」という人以外がAmazonで身を守る方法として、サウス氏は「ブランドが合法的なものであり、売り手もブランド名と一致しているか、Amazon本体が販売者であることを確認する」というものを挙げています。


また、レビューの数をチェックすると共に「最新」の順に並び替え、直近の顧客が製品に付けたレビューを見ることも推奨しています。古いレビューは現在の製品との関連性が低く、最悪の場合は過去に販売停止となった関係ない製品のレビューである可能性もあるからです。


サウス氏は、Amazonでは非常に危険な製品が売られていることもあるものの、自身のeコマースビジネスを軌道に乗せる上でAmazonが果たした役割は多く、顧客としてはAmazonを愛しているとしています。しかし、「Amazonのマーケットプレイスの行く末を見ることが、そしてAmazonがそれを気にかけていないように見えるのは悲しいことです」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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