ハードウェア

バッテリーの充放電に伴って二酸化炭素を回収する技術が登場


気候変動を抑えるための取り組みの一環として、大気中の二酸化炭素を回収する技術の開発が世界中で行われています。そんな中、ケンブリッジ大学の研究チームが「バッテリーの充放電のようなプロセス」を用いて二酸化炭素を効率的に回収する技術を発表しました。

Enhancing the capacity of supercapacitive swing adsorption CO2 capture by tuning charging protocols - Nanoscale (RSC Publishing)
https://doi.org/10.1039/D2NR00748G

Low-cost battery-like device absorbs CO2 emissions while it charges | University of Cambridge
https://www.cam.ac.uk/research/news/low-cost-battery-like-device-absorbs-co2-emissions-while-it-charges

二酸化炭素回収技術は気候変動を抑えるために有用な技術として注目が集まっていますが、既存の技術には「二酸化炭素の回収に大量のエネルギーが必要」「回収装置が高価」といった課題が存在しています。これらの課題を解決するべく、ケンブリッジ大学の研究チームは安価で高効率な二酸化炭素回収装置の開発に取り組みました。


研究チームはバッテリーに似た構造の二酸化炭素回収装置を開発しました。この装置に正と負の電荷を交互にかけると中央のプレートに二酸化炭素を集めることが可能とのこと。さらに、研究チームは電圧の大きさは正と負の入れ替えタイミングを検証し、二酸化炭素の回収量を最大化する電圧のかけかたを導き出しました。


上記の方法で二酸化炭素を回収すると、記事作成時点で主流の(PDFリンク)アミンを用いた回収方法よりも少ないエネルギーで多くの二酸化炭素を回収可能とのこと。

また、研究チームは「私たちは、環境に害を及ぼさず、廃棄頻度を減らす必要がある材料を使用したいと考えています」と述べており、回収装置の電極に廃棄されたココナッツの殻由来の炭素を用いるなど二酸化炭素回収装置そのものの環境負荷を減らす努力も行っています。


研究チームは開発した二酸化炭素回収装置が機能するメカニズムの詳細を明らかにするべく、研究を続けるとのことです。

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in ハードウェア, Posted by log1o_hf

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