GoogleがCookieの許可・拒否画面をリニューアル、196億円の罰金を受けて
Googleは2022年1月、ユーザーをトラッキングするCookieを受け入れるか拒否するかユーザーが選択するバナーについて「Cookie拒否が許可より難しいのは問題あり」として、フランスで個人データ保護を監督している国家個人情報保護機関(CNIL)によって1億5000万ユーロ(約196億円)の罰金を科されています。これを受けて、GoogleはCNILの指示の下で新しいCookieバナーを実装しヨーロッパ圏に広く展開していくことを発表しました。
New cookie choices in Europe
https://blog.google/around-the-globe/google-europe/new-cookie-choices-in-europe/
CNILによると、GoogleやYouTubeでCookieの受け入れは1クリックで可能になっていたのに対して、Cookie拒否は数回のクリックが必要な状態だったとのこと。この非対称性は違法であるとCNILは述べ、Cookieによるデータ収集の範囲や関係するデータの数、得たデータから間接的に発生する広告収入などをもとに、Googleには1億5000万ユーロの罰金が科されました。
「Cookie拒否が許可より難しいのは問題あり」と1クリックCookie拒否機能の実装をフランスがGoogleとFacebookに要求し罰金275億円を科す - GIGAZINE
罰金と同時に、Cookieの拒否を受け入れと同じぐらい簡単に行えるような機能を実装し、ユーザーに提供することが求められました。そのような指示や具体的な指摘に基づいて、Googleは2022年4月21日に新しいCookieの許可・拒否バナーを公開。新しいバナーでは、Cookieが行う役割を全てユーザーに示した上で、「ACCEPT ALL(全て許可)」「REJECT ALL(全て拒否)」をどちらもワンクリックで選択できるようになっています。また、より細かい個別の設定を行いたい場合は「MORE OPTIONS」から設定することができます。
新しいバナーは2022年4月始めにフランスで開始されており、欧州経済領域(EEA)やイギリス、スイスに拡大を予定しているとのこと。また公式ブログによると、Googleはバナーの更新に伴ってGoogleのサイト上でのCookie動作を再設計しており、Googleを使用してビジネスを行ったりコンテンツ作成したりする人にも影響を与える可能性があると述べています。
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