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Instagramのショート動画「リール」作成者への支払いが削減されているとの報道


最大30秒の短い動画を投稿して共有できるInstagramのサービス「リール」には、動画作成者がInstagramから収益を受けることができるプログラムが用意されています。このプログラムに参加しているユーザーから、「以前に比べて支払額が減少した」と報告されています。

Instagram cuts influencer payments for short videos | Financial Times
https://www.ft.com/content/df2d753d-4346-49d8-88d7-441156dc8dc3

Instagram is offering huge bonuses for posting on Reels, its TikTok clone | TechCrunch
https://techcrunch.com/2021/11/11/instagram-bonuses-reels-tiktok/

2020年8月、Instagramはショート動画共有サービス「TikTok」に対抗する形でリールを発表。用意された音楽やエフェクトなどをユーザーが自由に付け加えて編集することが可能なこのサービスは多くのクリエイターに利用され始めました。

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そして2021年、Instagramはユーザーがリールで収益を得られるようにするプログラム「リール動画再生ボーナスプログラム」を一部地域で試験的に開始。フォロワーの多いクリエイターが動画のパフォーマンスにより収益を受け取ることができるプログラムに、招待された一部のクリエイターが加わりました。ただ、約2万4000人のフォロワーを抱えるクリエイターが月当たり928万回再生で8500ドル(約105万円)を受け取れたと報告する一方で、約800人のフォロワーを抱える別のクリエイターが同じく1月で8500ドルを受け取れたと報告するなど、収益額の決定基準が曖昧であることも問題視されました。

しかし、2022年4月に入り、この収益額が大幅に減少していることが伝えられています。何人かのクリエイターが海外メディアのFinancial Timesに語ったところによると、リールの収益額は過去数週間で1再生当たり70%も減少しているほか、以前と同額を稼ぐために必要な再生回数のしきい値が10倍に跳ね上がっているとのこと。

クリエイターのJackson Weimer氏は「当初は再生回数1000回当たり1ドル(約124円)を稼げていたのに、今では1ドル稼ぐのに1万回の再生が必要になりました。それだけの金額のためにリールを投稿することに価値はありません」と述べています


ショート動画の分野ではTikTokが大きな地盤を固めていた中で、後発となるInstagramはクリエイターにより多くの還元を行わなければならなかったことが専門家により指摘されています。SNSを専門とする広告制作企業Billion Dollar Boyのエド・イーストCEOは「企業によるユーザーへの還元基準には不確実性がありますが、InstagramはTikTokよりも多く支払う傾向がありました」と語っています。

Instagramの運営元であるMetaの企業努力にもかかわらず、InstagramがTikTokに押されつつあることも報じられています。2019年にはアプリのダウンロード数でTikTokの次点につけていたInstagramですが、2020年に大きく引き離され、TikTokが全アプリの中でトップに、Instagramは4位となる事態となりました。また、2022年にMetaのマーク・ザッカーバーグCEOが「ユーザーがTikTokなどのライバルにより多くの時間を費やしている」と認めたところ、Metaの市場評価額が1日で2200億ドル(約27兆円)以上下落したことも伝えられています

InstagramとTikTokの両方でコンテンツを作成しているBinny Shah-Patel氏は「リールに当初の勢いはなくなりました。Instagramでリールを作成するのは面倒でクラッシュする可能性があります。TikTokではより優れた機能があり、視聴者はより広範にわたります」と述べました。

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in ネットサービス, Posted by log1p_kr

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