NVIDIAが「自動運転レベル3・4」の展開を加速させる新たな技術を発表
開発者向けカンファレンス「GTC 2022」において、NVIDIAが自動運転に関連する情報として、人間の一部介入を必要とするレベル3、および限定領域外でのみ人間の一部介入を必要とするレベル4を強化する、新たな技術やロードマップを発表しました。
Introducing DRIVE Hyperion 9 for Software-Defined Fleets | NVIDIA Blog
https://blogs.nvidia.com/blog/2022/03/22/drive-hyperion-9-atlan/
Announcing DRIVE Map Scalable, Multi-Modal Engine | NVIDIA Blog
https://blogs.nvidia.com/blog/2022/03/22/drive-map-multi-modal-mapping-engine/
DRIVE Gains Industry Momentum With $11 Billion Pipeline | NVIDIA Blog
https://blogs.nvidia.com/blog/2022/03/22/drive-orin-byd-production/
◆NVIDIA DRIVE Hyperion 9
NVIDIAが提供する自動運転車のオープン開発プラットフォーム「NVIDIA DRIVE」に、自動運転車のハードウェアアーキテクチャ「Hyperion 9」が登場します。360度カメラ、レーダー、LiDAR、超音波センサーなどのセンサー類を用いて自動運転を実現する「Hyperion 8」の後継となるHyperion 9には、14台のカメラと9台のレーダー、3台のLiDAR、20基の超音波センサーが搭載されており、これによりHyperion 8の2倍のセンサーデータを処理できるとのこと。
既存の自動運転車向けSoC「DRIVE Atlan」を用いることにより、Hyperion 9は同じ電力で2倍以上のパフォーマンスを発揮。レベル4の自動運転に加えて、NVIDIA DRIVEコンシェルジュが提供する便利で安全な機能を処理できます。豊富なセンサーセットと高性能コンピューティングを組み込むことで、システム全体が最高レベルの機能安全とサイバーセキュリティに合わせて設計されているとのこと。NVIDIAは「Hyperionは神経系、Atlanは脳」と説明しています。Hyperion 9は2026年に生産が開始されます。
◆NVIDIA DRIVE Map
2024年までに北米、ヨーロッパ、アジアの主要な道路50万kmをマッピングする「NVIDIA DRIVE Map」が発表されました。カメラ、LiDAR、レーダーの3つのローカリゼーションレイヤーを備えたDRIVE Mapにより、非常に正確に世界を3Dで再現し、最先端のAIに必要な情報を供給するとのこと。複数のレイヤーを用いて自動車や歩行者、動く物体をローカライズし、NVIDIA Omniverseに読み込ませ、そのデータを基に交通状況にリアルに対応する車両を構築できます。このマップは数百万台の乗用車によって拡張され、データは自動運転車業界全体で利用できます。
◆110億ドル(約1兆3300億円)規模の市場拡大
HyperionがDeepRoute、Pegasus、UPower、WeRideなどのスタートアップに採用され、Hyperionをとりまくエコシステムが110億ドルを超える規模に成長したことが発表されました。また、中国の大手バッテリーメーカーのBYD(比亜迪)が254TOPSを実現する車両向けセントラルコンピューター「Drive Orin」を採用し、世界初のプラグインハイブリッドカー「F3DM」など多数の販売実績を誇るBYDがHyperion 8で次世代のEVを構築していくなど、レベル4実現に向けたエコシステムが拡大していることが示されました。
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