収益構造でFacebookは98%・Googleは81%を広告に依存しており脆弱性と化している
世界的な規模でビジネスを展開しているAlphabet(傘下にGoogle)、Amazon、Meta(元Facebook)、Apple、Microsoftの「ビッグ・テック」5社のうち、AlphabetとMetaは収益構造が他3社とは少し異なり、「脆弱(ぜいじゃく)性」をはらんだものであることが指摘されています。
Facebook and Google’s Ad Addiction Can’t Last Forever Thanks to TikTok, Web3 - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/opinion/articles/2022-02-03/facebook-and-google-s-ad-addiction-can-t-last-forever-thanks-to-tiktok-web3
AlphabetとMetaが抱える「脆弱性」は、ビジネスを多角化できておらず、デジタル広告に依存しているという点です。
Alphabetの2021年の年間売り上げは753億ドル(約8兆6400億円)。Google検索による広告収入は前年比36%増、YouTubeの広告収入も前年比25%増と、非常に好調です。
Googleの2021年第4四半期の広告収入は前年比33%増の612億ドル(約7兆300億円)、YouTubeの広告収入は前年比25.4%増の86億3000万ドル(約9900億円)と絶好調 - GIGAZINE
by Niharb
一方のMetaも売り上げは増加していますが、創業当初を除けば初めてデイリーアクティブユーザー(DAU)数が減少。利益も減少していることが報じられています。
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決算報告をベースに算出すると、Alphabetは収益の81%がデジタル広告、Metaに至っては98%がデジタル広告による収益です。
ビッグ・テックのうち、Microsoftはビジネスを多角化させている企業の代表格で、売り上げの3割強がサーバー製品、2割強がOffice製品、1割強がWindowsで、さらにゲームとLinkedIn、その他のビジネスが存在します。クラウドコンピューティング事業においてMicrosoftはシェアの20%を占めます。
同様にAmazonも世界最大級の通販・電子商取引サイトとして知られていますが、同時にAWSのようなクラウド事業でも有名で、営業利益の6割をクラウドから得ているとのこと。
クラウド事業を展開しているという点はGoogleも同じなのですが、その売上高は広告事業からのものに比べると圧倒的に小規模です。過去にGoogleで広告事業を統括した経歴を持つスリダール・ラマスワミ氏は「広告事業がたたき出す指標がクラウド事業からは得られず、新事業に軸足を移すのは企業文化的に困難でした」と語っています。
広告事業はパンデミックのさなかにおいては他のビジネスより強く、2021年の成長は実に20%に上るとのことですが、ラマスワミ氏によると「市場はやがて落ち着きを取り戻して成長は1%や2%といった数字になり、『20%成長』の日々の再来は難しいでしょう」とのこと。
ニュースサイト・Bloombergは状況は今後2~3年は維持されるものの、5年後には大きく変化している可能性があると指摘しています。
今後、オンラインプラットフォームがブロックチェーンに支えられたシステムである「Web3(Web3.0)」に根本的に移行すると、企業はこれまでに築き上げてきたビジネスモデルを再考する必要が出てきます。
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