ネットサービス

Googleが「最悪」と評された新システム・FLoCを捨てて「トピックAPI」に方針変換、どんな仕組みなのか?


Googleが開発していたサードパーティーCookieを利用しない新しいデジタル広告の仕組み「FLoC」は、各所から大きな非難を受け、「FLoCをブロックする」と表明する企業も続出していました。最初にFLoCが提案された2019年から約2年半が経過した2022年1月、GoogleはFLoCを使うのではなく、「トピックAPI」と呼ばれるものを使って新たな広告の仕組みを作り上げていくことを発表しました。

Get to know the new Topics API for Privacy Sandbox
https://blog.google/products/chrome/get-know-new-topics-api-privacy-sandbox/

GitHub - jkarlin/topics: The Topics API
https://github.com/jkarlin/topics

インターネット上で表示されるデジタル広告は、これまでCookieをもとにしたターゲティングの仕組みを利用してきました。世界最大の広告企業であるGoogleがその中心に存在しましたが、世界的なCookie規制の流れに伴い、Googleは2020年に特にプライバシーの問題が指摘される「ChromeにおけるサードパーティーCookieのサポートを2年以内に廃止する」と発表しました。

サードパーティーCookieの廃止に伴い、新たな広告の仕組みが必要になったGoogleが考案したのが「Federated Learning of Cohorts(連合学習のコホート/FLoC)」です。FLoCは、サードパーティーCookieの問題点である「インターネットユーザーの個々人の行動を広範に追跡し属性・所在地・興味・関心といった情報を広告に利用する」という性質を排除しながらターゲティングを実現するためのAPIです。具体的に言うと、FLoCは個人を追跡するのではなく、ユーザーを同属性でまとめた「コホート」に分類した上で情報を利用することから、Googleは「プライバシー侵害には当たらない」と主張しました。

しかし、FLoCの詳細が検討され、テストが行われていくうちに、「グループの規模が個人特定可能なほどに小さくなる」という問題が明らかになりました。実際に、いくつもの広告企業によって「FLoC」を利用して個人を識別しようとする試みがスタートしたこともわかっています。

すでにGoogleの新システム「FLoC」を利用して個人を識別しようとする試みが広告企業でスタートしている | GIGAZINE.BIZ


このようなFLoCが「最悪」と評されることも多く、AmazonGitHubはFLoCをブロックすることを表明していました。

FLoCは多くの問題を抱えながら開発を進める必要があったため、Googleは2021年6月に、当初掲げていた「2022年までにChromeでサードパーティーCookieを廃止する」という目標を「2023年末までに」という形に変更。またGoogleのプライバシーサンドボックスチーム・技術リードマネージャーであるJosh Karlin氏は「トピックにこだわるのが理にかなっているのかもしれません」と述べ、ユーザーをコホートに分類する仕組みからの方針転換の可能性を示唆しました。

Googleの新広告システム「FLoC」が方針転換、どのように変わるのか? | GIGAZINE.BIZ


そんな中、Googleは2022年1月25日付けで、FLoCに取って代わる仕組みとして「トピックAPI」を発表しました。

トピックAPIは、ブラウザが閲覧履歴に基づいて「その週の最大の関心事」となるトピックを決定するというもの。具体的なトピックの種類には「フィットネス」「旅行」「自動車」「本」「コミック・アニメ」などがあり、ブラウザはトピックを3週間保存した後に削除します。このトピック情報はGoogleを始めとする外部のサーバーと共有されず、完全にデバイス上で選択されるとのこと。

そして、ユーザーがトピックAPIを導入したウェブサイトに訪れると、過去3週間に記録されたトピックの中からトピック選択が行われ、ウェブサイトやその広告パートナーと共有されます。ユーザーはブラウザ上でトピックを追加・削除したり、そもそも機能を完全に無効にしたりすることが可能であるため、この仕組みであれば「高い透明性を保ちながらユーザーの興味がある広告を表示する」ことが可能になるわけです。


以下は、左がサードパーティーCookieを利用したターゲティング広告を示す図であり、右がトピックAPIを利用したターゲティング広告の図。トピックAPIはどのような仕組みで広告が表示されているのかが、ユーザーにとって非常に明瞭になるのが特徴といえます。


なお、2022年1月時点で作成されているトピックのリストは以下から確認可能です。

topics/taxonomy_v1.md at main · jkarlin/topics · GitHub
https://github.com/jkarlin/topics/blob/main/taxonomy_v1.md

トピックAPIの開発やテストが今後どのように展開されていくのかは未公表ですが、Googleは新しい広告の仕組みを作るプロジェクト「プライバシー・サンドボックス」のタイムラインページで、2022年第4四半期に新しい仕組みに移行する目標を示しています。

Privacy Sandbox Timeline
https://privacysandbox.com/timeline/

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Googleが導入予定の「FLoC」は最悪なものだと電子フロンティア財団が指摘 - GIGAZINE

Googleが開発中の「FLoC」はなぜ「有害」なのか、ユーザーとウェブサイトに発生する損害とは? - GIGAZINE

Googleの広告新技術「FLoC」をGitHubがブロック - GIGAZINE

Googleが提案するサードパーティーCookieなしの新しい広告の仕組み「FLoC」とは? - GIGAZINE

Amazonも「最悪」と評されるGoogleの新システム「FLoC」をブロックしたことが判明 - GIGAZINE

Googleの考案する新たな「Cookieレスの仕組み」に独占禁止法違反の目が向けられている - GIGAZINE

Googleが提案する「プライバシーバジェット」が抱える大問題とは? - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by logq_fa

You can read the machine translated English article here.