メモ

158桁ものパターンがある文学パズルに100年越しに3人目の解決者が誕生


カインのジョーボーン(Cain's Jawbone)とは、1934年に出版された殺人ミステリー・パズル。100ページある本がバラバラにナンバリングされており、それらを並び替えてその正確なストーリーを解き明かし、殺人事件を解決するという文学パズルで、そのページの組みあわせは158桁もの数になるという、世界で最も凶悪とも言われるパズルです。出版された1930年代に2人がパズルを解いて賞金を獲得した以降は解法が見つかっていなかったこのパズルに、約100年越しに解答者が現れました。

Literary puzzle solved for just third time in almost 100 years | Books | The Guardian
https://www.theguardian.com/books/2020/nov/10/literary-puzzle-solved-for-just-third-time-in-almost-100-years-cains-jawbone

「カインのジョーボーン」とは、高度なクロスワードパズルの制作者であるエドワード・ポウ・マザーズが「トルケマダ」というペンネームで書いた文学パズルで、殺人ミステリーの犠牲者と犯人を特定するというクイズを、バラバラになった100ページの小説を並び替えた上で行うという超高難易度なもの。1934年に出版された後、25ポンド(現在の価値で約20万円)の賞金が出されたパズルへの解答に、クリアできたのはたった2名だけだったとのこと。


その後、解法は失われたと考えられていましたが、2017年、シャンディーホールという博物館に勤めるキュレーターのパトリック・ワイルドガスト氏が解明に着手しました。すると「カインのジョーボーン」の謎は再燃し、2019年に本の再発行に携わった出版社は「1年以内に解決できる人に1000ポンド(約15万円)の賞金を提供する」と発表しました。同時に、「この競争は気弱な人のためには向かず、パズルは驚異的に難しいものである」と警告しています。

by Gordon Hatton

「カインのジョーボーン」の解答者は、100ページの原稿を箱に入れられていない状態で受け取ります。ページは閉じられておらず、並べて配置できるようになっています。

出版者の挑戦に参加した12人のうち、イギリスのコメディ作品のライターを務める、ジョン・フィネモア氏が、正答した唯一の人となりました。フィネモア氏は「カインのジョーボーンは私が今までに試みた中で最も難しいパズルでした」と述べ、その苦労について語っています。


ワイルドガスト氏は、提出されたフィネモア氏の解法が正しいことを確認しました。ワイルドガスト氏も、小説全部をタイプし直したり、図書館で誰かのマーキングがないか確認したりと模索しましたが、解答にはたどり着けなかったとのこと。

ワイルドガスト氏とフィネモア氏は、今回得た「カインのジョーボーン」の解法については公開することなく、「厳重に保護された秘密にして、将来の世代がパズルを楽しむことができるようにする」ことに同意したそうです。またシャンディーホールを本拠地とする作家・スターンの作品の普及を目指して設立された慈善団体「ローレンス・スターン・トラスト」は、さらなる「カインのジョーボーン」の解法が提出された場合には、その解法が正しいか確認することをアナウンスしています。

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in メモ, Posted by log1e_dh

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