AppleがEUの「ゲートキーパー」指定に反発した訴訟をEU一般裁判所が棄却

大規模プラットフォーマーに対して公正な競争を確保するための義務を負わせる、デジタル市場法(DMA)の「ゲートキーパー」に指定されたことについてAppleが起こした訴訟を、EU一般裁判所が棄却しました。
Digital services: the General Court dismisses Apple’s actions regarding its designation as a gatekeeper in relation to the App Store and iOS
(PDFファイル)https://curia.europa.eu/site/upload/docs/application/pdf/2026-07/cp260096en.pdf

Apple loses challenges against EU rules to curb Big Tech | Reuters
https://www.reuters.com/world/eu-court-rejects-apples-challenge-against-eu-rules-reining-big-tech-2026-07-08/
Apple loses challenge against EU digital competition rules
https://www.france24.com/en/live-news/20260708-apple-loses-challenge-against-eu-digital-competition-rules
Apple Loses EU Fight Over App Store Gatekeeper Label - MacRumors
https://www.macrumors.com/2026/07/08/apple-loses-eu-fight-app-store-gatekeeper-label/
EUでは2024年からDMAが施行されています。DMAではコアプラットフォームサービス(CPS)を提供している大規模デジタル事業者を「ゲートキーパー」に指定し、各CPSで公正な競争を確保する義務を負わせており、違反した事業者には全世界の売上高の最大10%という罰金が課されます。
EUがApple・Google・Meta・Amazon・Microsoft・TikTokに対しオープンで公正な行動を義務付ける「DMA」でこれから一体何がどう変わるのか? - GIGAZINE

Appleは「iOS」「Safari」「App Store」が規制対象のプラットフォームに指定された一方で、「iMessage」に関してはゲートキーパー指定を逃れたものの、iMessageそのものは市場調査によってCPSを構成する番号非依存型個人間通信サービスであると認定されました。
Appleが訴えたのは「App StoreおよびiOSに関するゲートキーパー指定および欧州委員会の採用した分類」「iMessageに関する市場調査開始の決定」「iMessageに関する市場調査終了の決定」の3つに対する異議です。
EU一般裁判所は、App StoreおよびiOSに関してAppleのゲートキーパー指定を支持して訴えを却下し、iMessageに関する訴えは不受理と判断しました。
まず、EU一般裁判所はDMAの相互運用性義務に関する規定はゲートキーパー指定の法的根拠ではなく、また決定と直接的な法的関連性を持つ規則でもないため、「相互運用性の義務の違法性」の主張により、ゲートキーパー指定の取り消しを求めることはできないと説明。
欧州委員会が「iPhone・iPad・Mac・Apple TV・Apple WatchのそれぞれのApp Storeが単一のCPSを構成する」と判断したことについて、「アプリの流通促進のために開発者とエンドユーザーをつなぐという同一目的を有している」という評価を下し、「それぞれのApp Storeは別個のもので、ゲートキーパー指定の基準を満たしているのはiOSのApp Storeのみ」というAppleの主張を却下。Appleの挙げた各App Storeの相違点は端末特性に関連するもので、複数CPSを区別することを正当化するものではないと述べました。
iMessageについては、「CPSを構成する番号非依存型個人間通信サービス」に分類されることがAppleの法的地位を揺るがすものではなく、そもそもゲートキーパー指定の決定に重要な要素となるゲートウェイとして認定されていないため、DMAで定められた義務が適用されないことから、関連する訴えを不受理とする判断を下したとのこと。
EU一般裁判所の判決について、欧州消費者機関のアグスティン・レイナ事務局長は「朗報です。もし不十分な対応になっていたら、DMAがオンラインの消費者の選択肢拡大にもたらしているプラスの影響が損なわれていたでしょう」と述べた上で、Appleに対して「リソースは、DMAを遅滞なく完全に順守することに充てた方がよいと思います」とコメントしています。
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