Appleがデジタル市場法準拠のため設定した「コアテクノロジー使用料」にEUは不満顔
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ビッグテックに対してオープンで公正な行動を義務づける「デジタル市場法(DMA)」がEUで施行されたことで、各社それぞれにDMAに準拠するための対応を行っていますが、そのうち、Appleが新たな料金体系の中で定めた「コアテクノロジー使用料」について、欧州委員会のマルグレーテ・ベステアー氏が「DMAのメリットを受けるにあたって妨げになる」とネガティブな受け取り方をしていることが明らかになりました。
Exclusive: EU's Vestager warns about Apple, Meta fees, disparaging rival products | Reuters
https://www.reuters.com/technology/eus-vestager-warns-about-apple-meta-fees-disparaging-rival-products-2024-03-19/
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EU Competition Chief Suggests Apple's Core Technology Fee May Not Be DMA Compliant
https://www.thurrott.com/apple/299791/eu-competition-chief-suggests-apples-core-technology-fee-may-not-be-dma-compliant
DMAはEUが大規模プラットフォーマーを「ゲートキーパー」として指定し、公正な行動を義務づける法律です。ゲートキーパー指定を受けたのはAlphabet(Google)、Amazon、Apple、ByteDance(TikTok)、Meta、Microsoftの6社。
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Appleは2024年1月、DMA準拠のため、公式アプリストアであるApp Store以外でのアプリ配信や決済を行うことを認める新たなルールを制定しました。
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ただし、外部のアプリストアでアプリを配信するためには、アプリがAppleによる認証を受ける必要があるほか、App Store外の決済には「コアテクノロジー使用料」として年間インストール数に応じて1回0.5ユーロ(約80円)の支払いが定められました。
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ベステアー氏は、ロイターの取材に対して「強い関心を持っている事項は、たとえば、Appleの新しい料金体系が、DMAのメリットを享受するにあたって魅力的なものかどうかです。そういったことを我々は調査します」と述べ、「コアテクノロジー使用料」が設定されたことへの不満をのぞかせました。
一方で、Metaが広告なし有料プランの価格を値下げする動きを見せていることについて、ベステアー氏は慎重な姿勢だとのこと。
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Metaの一件は、プライバシー活動家のマックス・シュレムス氏から「お金の問題ではない」という指摘がありますが、ベステアー氏は「サービスの収益化のためには、データに基づいて表示するターゲットを絞り込んだ広告を出したり、文脈に沿った広告を出したりと、いろいろな方法があると思います」「今後もMetaとの対話を続けることが重要だと思いますし、最終的には、MetaがDMAに準拠するための次の取り組みを評価することになると思います」と述べました。
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