運動しても体重が減らない理由

体重を減らすためには運動すれば良いとはよく言われる話です。ところが新たな研究により、単純に運動して消費カロリーを増やすだけでは体重の減少につながらない可能性があることが分かりました。
The evidence for constrained total energy expenditure in humans and other animals: Current Biology
https://www.cell.com/current-biology/abstract/S0960-9822(26)00064-3
Why working out may not help you lose weight
https://medicalxpress.com/news/2026-02-weight.html
Why working out may not help you lose weight as much as you expect
https://www.diabetes.co.uk/news/2026/feb/why-working-out-may-not-help-you-lose-weight-as-much-as-you-expect.html
従来は、「動けば動くだけ消費カロリーが増加し、体重が減る」という考え方が一般的でした。この考え方は、1日の総エネルギー消費量は生存に必要なエネルギー量と運動で消費するエネルギー量の合計であるという単純な方程式に基づいています。この考えは「加算モデル」と呼ばれます。
例えば、日常生活で1日に2000キロカロリーを消費し、その後ランニングをして400キロカロリーを消費した場合、1日の総消費カロリーは2400キロカロリーになるという考えです。この運動による追加の消費が体重減少につながると考えられてきたのです。

この考えに異を唱えたのがデューク大学のハーマン・ポンツァー氏らです。ポンツァー氏らは、体は想定されているより少ないエネルギー量で活動していて、運動すると体の他の場所で消費されるエネルギーを削減することで補うという仕組みになっていると考察。この考えを「制約モデル」と名付け、加算モデルとどちらが正確なのかをデータによって検証することにしました。
ポンツァー氏らは、運動プログラムに参加した450人を対象とする14件の異なる研究と、いくつかの動物研究を分析しました。研究に参加した被験者が消費すると予想されたエネルギーと、実際に消費したエネルギーを比較することで、体がどの程度エネルギーを補っているのかを算出し、1日の総消費カロリーを割り出そうとしました。
その結果、運動で消費されたカロリーは1日の総消費カロリーに100%上乗せされるわけではなく、およそ72%程度にとどまることが判明。残りの28%は体の他の場所で消費されるはずだったカロリーと相殺されている可能性があることが分かりました。

例えば、日常生活で1日に2000キロカロリーを消費し、その後ランニングをして400キロカロリーを消費した場合、1日の総消費カロリーには400キロカロリーの72%、つまり288キロカロリーしか上乗せされず、合計2288キロカロリーしか消費しなかったことになるという計算です。
これにより、加算モデルは運動による1日の総エネルギー消費量を過大評価していることが多いと示唆されました。
ポンツァー氏らは、この28%という数字は個人差が大きいと指摘しつつ「人間および他の動物は、身体活動の増加に対して、他の作業に費やすエネルギーを減らすことで対応している可能性があります。特に何らかの食事制限を伴うことが多い動物実験では他の作業に費やすエネルギーの多くが奪われていました」と説明しています。

医療系メディアのMedical Xpressは「これらの発見は、運動だけでは期待したほど体重が減らないことが多い理由や、なぜ食事が重要な役割を果たすのかを説明している可能性があります」と指摘しました。
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