セキュリティ

落とし物トラッカー「Tile」を買収した「Life360」が無断で数千万人のユーザーの位置データを販売していたことが発覚


Appleの「AirTag」と並ぶ落とし物トラッカー大手「Tile」を買収した子ども見守りアプリ「Lfe360」が、数千万人分に上るユーザーの詳細な位置情報データをデータブローカーに販売していることが明らかになりました。

The Popular Family Safety App Life360 Is Selling Precise Location Data on Its Tens of Millions of Users – The Markup
https://themarkup.org/privacy/2021/12/06/the-popular-family-safety-app-life360-is-selling-precise-location-data-on-its-tens-of-millions-of-user


Tile Buyer Life360 Selling Precise Location Data on Millions of Users - MacRumors
https://www.macrumors.com/2021/12/06/life360-selling-location-data-of-millions/

ニュースサイト・The Markupによると、3300万人のユーザーを抱える「Life360」が、ユーザーの詳細な位置情報を12のデータブローカーに販売していたことがわかったとのこと。


データブローカーからは、Life360は「業界最大のデータソースの1つ」として認識されており、提供されるデータは量も精度も非常に高いレベルであったことから重宝されていたとのこと。ブローカーのうち1社の元従業員は「Life360のデータがなければ、マーケティングキャンペーンを実施することはできなかった」と述べています。

Life360のクリス・ハルCEOは「業界最大のデータソースの1つ」であるかどうかについて「正確性を確認または否定する手段がありません」と述べつつも、データ販売については「大多数のユーザーがLife360のサービスを無料で利用できるようにするためのビジネスモデルの重要部分であると考えます」と、販売していることを認めました。実際、プライバシーポリシーでも、データは販売しているということが明記されています。

なお、Life360は2021年11月に落とし物トラッカーメーカーの「Tile」を買収したところです。Tileは2012年創業で、業界では大手として知られていました。しかし、2021年にAppleが「AirTag」で市場に参入した後は厳しい競争を強いられることになり、「Life360」に身売りしました。

位置情報共有サービスが落とし物トラッカー大手の「Tile」を買収 - GIGAZINE


本件は、Life360が「見守りサービス」という、ユーザーの安全を守るべき役割であることから、特に大きな問題であると専門家は指摘しています。

・2021/12/10 13:39追記
Tileから、以下の声明が寄せられました。

Tile社は個人情報の販売や収益化をしておりません。
Life360社は、今後もTile社のこの方針を全面的に支持し継続することを約束しています。
Tile社にとってプライバシーとセキュリティーは非常に重要であり、Tile社のプライバシーポリシーはLife360社傘下に入っても維持され、変更の予定はありません。

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in ネットサービス,   セキュリティ, Posted by logc_nt

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