ハードウェア

世界初の撮影後にピントを合わせられるカメラ交換レンズ「K|Lens One」が登場


フルフレームカメラ対応で、対象の深度情報を計算して3次元的に対象を捉えることができるライトフィールド機能を世界で初めて搭載したレンズ「K|Lens One」が登場しました。静止画・動画の両方でライトフィールド撮影が可能で、ソフトウェアで処理することで撮影した後からピントの調整が可能になるなど、さまざまな表現が可能になります。

K|Lens GmbH - The third dimension in image acquisition
https://www.k-lens-one.com/en/home

K|Lens Oneはこんな感じ。


K|Lens Oneのスペック一覧が以下。K|Lens Oneのレンズ部分は、ドイツのCarlZeiss JenaGmbHが担当しているとのこと。

K|Lens One
レンズ構成13群17枚
焦点距離80mm
絞りマニュアル
絞り羽根枚数15枚
絞り値f/6.3~f/19
開放絞り値0.8
フォーマット互換性フルフレーム
対応マウントニコン・Fマウント
ソニー・Eマウント
キヤノン・EFマウント
※シグマ・Lマウント、ニコン・Zマウント、ライカ・Rマウントはアダプター必須
最短撮影距離50cm
画角25度(水平)
イメージサークル直径24mm×36mm
スタビライザーなし
光学解像度45メガピクセル
深度測定テクノロジーMulti-View Stereo
全長253mm
重量1720g
フィルタースレッド67mm


ライトフィールドカメラはこれまでにも開発されていますが、いずれもレンズとカメラが一体となっていました。K|Lens Oneは世界初のフルフレームカメラ対応のライトフィールドレンズで、さまざまなカメラに取り付けられるようになっています。

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K|Lens Oneに搭載されている「Image Multiplier」は、レンズが捉えた光線を9つの画像に分割し、カメラセンサーに投影します。この9つの画像は少しずつ撮影角度が異なっており、いわば「9台のカメラを同時に並べて写真を撮影している」感覚に近いとのこと。人間は右目で捉えた映像と左目で捉えた映像の間で生まれる視差から物の奥行きを判断しています。K|Lens Oneは9つの画像で生まれた視差を利用して、専用ソフト「SeepDee」のAIアルゴリズムで画像の深度を計算するというわけです。


撮影した映像は編集してピントを変えられるだけではなく、3Dディスプレイ対応のコンテンツや2Dディスプレイ上で簡単に3D効果を発揮するような映像や画像の作成も可能になるとのこと。

K|Lens Oneは撮影する映像を9つに分割するので、装着したカメラのモニターには9つに分割された画像が表示されることになります。開発チームは、この9つの映像のうち、中央の映像だけを映し出す専用の外部モニターも開発。専用外部モニターはK|Lens Oneのオプションとして注文可能だそうです。


K|Lens Oneは希望小売価格が3599ユーロ(約46万円)で、クラウドファンディングサイトのKickstarterで出資を募集中。

K|Lens One by K|Lens — Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/k-lens-one/k-lens-one


プロジェクトの目標額は7万5000ユーロ(約960万円)ですが、記事作成時点で既に13万3935ユーロ(約1700万円)を集めています。出資額に応じて異なる報酬を得られるようになっており、記事作成時点で受付可能な報酬は以下の通りです。

・1999ユーロ(約26万円)以上:K|Lens One×1本(希望小売価格より45%オフ)
・2699ユーロ(約35万円)以上:K|Lens One×1本(希望小売価格より25%オフ)
・7699ユーロ(約98万円)以上:K|Lens One コレクターバージョン×1本、SeepDeeベータ版のアクセス権24カ月分

出資は日本時間で2022年1月28日23時まで受け付けられており、発送は1999ユーロと7699ユーロのプランが2022年8月、2699ユーロのプランが2021年1月となっています。日本への発送も行われますが、送料と関税が別途必要になるので注意が必要です。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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