ハードウェア

本物の3Dホログラム写真を家庭で簡単に印刷できる「Desktop 3D Hologram Printer」が登場


2次元なのにさまざまな角度に傾けると立体的に見える「3Dホログラム画像」を特殊なフィルムにレーザー光で印刷できる3Dホログラムプリンターを、世界で初めて卓上サイズに設計した「Desktop 3D Hologram Printer」が登場しました。

3D Hologram Printer
https://www.litiholo.com/3d-hologram-printer.html

製品版のDesktop 3D Hologram Printerの外観がこんな感じ。本体サイズは縦21.5インチ(約55cm)×横20インチ(約51cm)×高さ11インチ(約28cm)、本体重量は約13.2kgになるとのこと。


Desktop 3D Hologram Printerを開発したのは、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの研究員であるポール・クリスティ氏が創設したLitiHoloです。

クリスティ氏が所属していたMITメディアラボの「空間イメージグループ」は、MIT高度視覚研究センターの所長も務めたスティーブン・ベントン教授によって創設されました。ベントン教授はインスタントカメラで知られるポラロイドの元研究員で、クレジットカードや医療画像に使われる多色レインボーホログラムを発明したことでも知られています。

LitiHoloのDesktop 3D Hologram Printerは、2つのレーザービームによる干渉パターンを、特殊なホログラムフィルムに照射することでホログラムを作成します。そして、フィルム上のパターンに当たる光と回析した光によって3D画像が形成されるという仕組み。LitiHoloは、Desktop 3D Hologram Printerの3Dホログラム写真が、目の錯覚を利用したペッパーズ・ゴーストなどの疑似的なものとは違う「本物の3Dホログラム写真」だと述べています。

以下のムービーは、実際にDesktop 3D Hologram Printerのプロトタイプが印刷する様子。レーザーは600~650nmの赤色レーザーで、出力は20mWです。

LitiHolo 3D Hologram Printer - interior shots - YouTube


LitiHoloのDesktop 3D Hologram Printerで印刷された3Dホログラム写真がどんなものなのかは以下のムービーを見ると一発でわかります。

Buzz Lightyear hologram teaser - YouTube


モデルはアニメ映画「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤー。正面から見るとこんな感じですが……


左に向けると、ちゃんとバズの顔が左から見ることができます。


右に向けても同様に顔の右側が写り、立体的に写っていることがよくわかります。


一般的なLEDデスクライトで照らした3Dホログラム写真を正面と左側面から見ると、3Dホログラム写真の印刷されているプレートに奥行きはなく、薄いことがわかります。

Desktop 3D Hologram Printerで印刷可能な3Dホログラム写真の仕様は以下の通り。

・ホログラムは反射型ホログラムで、白色光下で可視。
・ホーゲル(ホログラム写真における画素)のサイズは1mm×1mm。
・写真サイズは最大4インチ(約10cm)×5インチ(約13cm)。
・3Dを見れるのは水平方向のみで、視野角はおよそ45度。
・1ホーゲルあたり23パターンの見え方を仕込むことが可能。

本来3Dホログラム写真のプリンターは企業や研究施設にしか存在しません。LitiHoloは家庭用のDesktop 3D Hologram Printerを製品化するに当たって、専用の現像フィルムプレートを開発しました。このフィルムプレートは印刷後の処理や化学薬品による現像が必要なく、レーザーが照射され露光すると同時に現像されるとのこと。


また、ホログラムを作るには、3Dでの見え方を示す透視画像のセットを専用ソフトに読み込ませる必要があります。ただし、特定の手順で撮影されたムービーから自動的に必要な透視画像を抽出することも可能だとのこと。加えて、3Dソフトウェアでレンダリングしたものを仮想カメラで撮影することで画像セットを用意できるそうです。


Desktop 3D Hologram Printerは、クラウドファンディングサイトのKickstarterで製品化を目指して出資を募集中。目標額は3万ドル(約320万円)ですが、記事作成時点で既に約11万8000ドル(約1280万円)を集めています。出資額に応じて異なる報酬を得られるようになっており、その内訳は以下の通りです。

・5ドル(約510円)~:最新情報と出資への心からの感謝。
・29ドル(約3200円)~:「I Like Holograms!」と書かれたTシャツ1枚。
・999ドル(約10万8000円)~:Desktop 3D Hologram Printer本体本体価格38%オフと専用現像フィルムプレート(2インチ×3インチが20パックと4インチ×5インチが6パック)。
・1099ドル(約12万円)~:Desktop 3D Hologram Printer本体(本体価格31%オフ)と専用現像フィルムプレート(2インチ×3インチが20パックと4インチ×5インチが6パック)。
・1199ドル(約13万円)~:Desktop 3D Hologram Printer本体(本体価格25%オフ)と専用現像フィルムプレート(2インチ×3インチが20パックと4インチ×5インチが6パック)。
・1299ドル(約14万円)~:Desktop 3D Hologram Printer本体(本体価格18%オフ)と専用現像フィルムプレート(2インチ×3インチが20パックと4インチ×5インチが6パック)。
・3000ドル(約32万6000円)~:支援者への感謝状がレーザー刻印されたDesktop 3D Hologram Printer本体(コレクターズエディション)と専用現像フィルムプレート(2インチ×3インチが20パックと4インチ×5インチが6パック)

999ドル以上のプランについては、出資額に65ドル(約7000円)の追加でフィルムパック1つ、90ドル(約9700円)の追加でホログラムディスプレイユニット1つ、230ドル(約2万5000円)の追加でホログラムのレールキャプチャユニット1つが別途付属されます。


提示されているプランのうち、29ドル・1199ドル・1299ドルのプランは日本を含む国際発送に対応していますが、別途送料が必要。送料については関税などによって変動するため、詳細は不明ですが、LitiHoloは「国際配送は私たちが望むほど簡単でも安価でもありません」とコメントしています。

なお、出資は以下のページから可能で、日本時間の2021年4月3日(土)午前4時まで受け付けられています。

The First Desktop 3D Hologram Printer - by LitiHolo by Paul Christie — Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/752525344/the-first-desktop-3d-hologram-printer-by-litiholo

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in ハードウェア,   動画, Posted by log1i_yk

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