Microsoft Edgeにデフォルトで搭載される予定の「今すぐ購入、後で支払い」機能にユーザーから猛抗議が寄せられる
Microsoftが、純正ブラウザの「Microsoft Edge」に短期融資機能である「今すぐ購入、後で支払い(BNPL)」機能を統合する計画を立てた件について、Microsoftの技術コミュニティの記事に対して非難コメントが大量につけられています。
Introducing Buy now, pay later in Microsoft Edge - Microsoft Tech Community
https://techcommunity.microsoft.com/t5/articles/introducing-buy-now-pay-later-in-microsoft-edge/m-p/2967030
Users revolt as Microsoft bolts a short-term financing app onto Edge | Ars Technica
https://arstechnica.com/information-technology/2021/11/microsoft-plans-to-integrate-a-buy-now-pay-later-app-into-edge/
BNPLはサードパーティーの支払いサービスであるZipと連携することで、ケースによっては無利子での分割払いが可能になるというもの。本来はZipのアカウントにサインインしなければBNPL機能を利用することはできませんが、MicrosoftはEdgeに登録されているMicrosoftアカウントをZipアカウントと連携することで、BNPL機能をEdge上で簡単に利用可能にしました。
Microsoft純正ブラウザの「Microsoft Edge」に「今すぐ購入、後で支払い」機能が実装される、不要な機能との指摘も - GIGAZINE
IT系ニュースサイトのArsTechnicaによれば、このBNPL機能の追加を否定的に評価するユーザーも存在するとのこと。あるユーザーは「こうしたサードパーティーサービスの統合はやりすぎだと思います。Edgeは単なるブラウザではなく、世界で最も重要なデスクトップOSのデフォルトブラウザです。それはメリットだけではなく、ユーザーに対する責任も負わなければなりません。不必要な金もうけのために、せっかくの素晴らしいブラウザを台無しにしないでください」と訴えています。
また、別のユーザーは「BNPL機能は不要ですね。Microsoftが推しているショッピングやディスカバリーの機能もいりません。こういったものは拡張機能に委ねるべきです。それよりも、最低限のリソースしか使わず、高速で安全性の高いブラウザに興味があります。Mac向けのEdgeはどんどん重くなっています」と述べています。
そして、あるユーザーは「35ドル(約4000円)の商品を購入すると、1カ月当たり購入金額の11%を払うことになります。これは実効年利率に換算すると250%にものぼります。最も搾取的なクレジットカードですら、実効年利率は40%程度です」と述べ、Microsoftが非常に高い利子を課す可能性を指摘しています。
Microsoftの広報担当者は「ユーザーのMicrosoftアカウントをZipのアカウントに連携させることで手数料を徴収することはありません」と述べていますが、Microsoftが無利子の分割支払いを可能とするBNPL機能でどのように報酬を得ているのかについて言及を避けています。
ArsTechnicaは「BNPL機能は、ユーザーからお金を奪うことよりも、ブラウザの安全性が問題となります。BNPL機能の搭載によって、ブラウザが攻撃対象となるケースが増えます。ハッカーが悪用できる潜在的な脆弱(ぜいじゃく)性を持つコードが増えるということです」と述べ、強制的にBNPL機能を搭載することで、Edge自体のセキュリティリスクも大きくなると指摘しました。
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