Amazonブランドのみをハイライトするブラウザ拡張機能が登場
Amazonはサードパーティーの小売業者が提供する商品のほかに、Amazonが投資する社内ブランドと、Amazon専売のサードパーティーブランドの商品も販売しています。Amazonが「当社のブランド」と呼ぶこれら2種類のブランドは他社製品よりも目立つ位置に表示されるという問題も指摘されていることから、Amazonブランドを強調表示するブラウザ拡張機能が開発されました。「実際にどのくらいのAmazonブランド製品が優先的に表示されているのか?」という点を確認すべく、実際に使ってみました。
How We Analyzed Amazon’s Treatment of Its “Brands” in Search Results – The Markup
https://themarkup.org/amazons-advantage/2021/10/14/how-we-analyzed-amazons-treatment-of-its-brands-in-search-results
Amazonが投資するブランドは年々その数を増やしており、2019年にはAmazon自ら「約15万8000種類の製品を販売する45の社内ブランドが存在する」と発表。また、調査会社の調べでは、Amazon専売のブランドは2019年の時点で598種類存在するということが明らかになっています。
これら2つのブランドがAmazonに検索結果として表示される際、Amazonブランドであることを示す「Amazon Essentials」「Amazonベーシック」などとラベル付けされて表示されることがある一方、一部の専売ブランドは特別なラベル付けが行われず、小売業社名がそのまま表示されることもあるとのこと。
これらAmazonブランドは、高評価の商品や広告の商品を差し置いて検索結果の上位に表示されることがあります。調査会社のThe Markupの調べでは、検索結果の上位に表示されるために必要な要素として、レビューの量や評価の高さよりもAmazonブランドであることが非常に重要だということが確認されています。Amazonブランドの売上げは全体のわずか1%に過ぎないとされていますが、Amazonブランドが検索結果の上位に表示される問題は、市場の独占を促進させるとしてしばしば問題視されています。
The Markupは、このようなAmazonブランドがどのように検索結果に表示されるのかを調べるため、ブラウザ拡張機能「Amazon Brand Detector」を開発しました。この拡張機能はGoogle Chrome版とFirefox版が公開されているため、実際に使用してみました。
今回はFirefox版を使用。配布ページにアクセスし、「Add to Firefox」をクリックして拡張機能を追加します。
「追加」をクリックして承認。これで準備完了です。
Amazon.co.jpにアクセスし、試しに「セーター」と検索してみると、左上から数えて13個目に「Goodthreads」というAmazonブランドの商品がオレンジ色で強調されて表示されました。
ちなみにAmazon.comで「Sweater」と検索してみるとこんな感じ。左上から数えて2個目にAmazonブランドの商品が登場しています。セーターに関しては、Amazonブランドの商品が上位に登場する割合はAmazon.comの場合かなり高いということが分かりました。
Amazon Brand Detectorは、Amazonが「当社のブランド」とラベル付けするAPIなどを用いて動作するとのことですが、検索者のIPアドレスなどで結果が異なることもあり、The Markupは「100%正しく識別するわけではない」と忠告しています。ただし、The Markupの調査の結果、Amazonブランドが最も目立つ左上に表示される割合は他社製品の3.5倍であり、ページ上部と下部といった次に目立つ位置に表示される割合も同様に高かったことが分かっています。
The Markupはまた「Amazonブランドであるにもかかわらず、そのラベル付けが行われていない商品は全体の37.4%だった」ということも報告。The Markupがアメリカ人1000人を対象にアンケートを行ったところ、「Amazonベーシック」といった「Amazon」の名を冠していないAmazonブランドを正しくAmazonブランドだと認識していた人は非常に少なく、前述のGoodthreadsの場合はわずか11%であるなどの結果が示されています。
The Markupは「Amazonは、競合他社がより高い評価を得ている場合でも、検索結果にAmazonブランドの商品を優先して表示させていることが明らかになりました。オンライン販売におけるAmazonの優位性が高いアメリカでは、Amazonブランドが優先されることの影響が中小企業にも強く及ぶということを意味しています」と述べました。
・関連記事
Amazonは自社ブランド「Amazonベーシック」製品を「火災の危険性あり」と散々警告されているにもかかわらず販売し続けている - GIGAZINE
Amazonに偽レビューを投稿する組織の存在が明らかになったのち人気AppleアクセサリーがAmazon上から消える - GIGAZINE
Amazonマーケットプレイスへの新規参入者は1日当たり3700人を超えるとの指摘 - GIGAZINE
Amazonで200件近くの好評価を謎の中国業者に乗っ取られた一部始終とは? - GIGAZINE
Amazonはマーケットプレイス上の販売データを基に取扱製品を決めていると報じられる - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in レビュー, ソフトウェア, ネットサービス, Posted by log1p_kr
You can read the machine translated English article Introducing a browser extension that hig….