レビュー

海賊の略奪・襲撃・誘拐も活用するボードゲーム「プエルトリコ20」拡張3「バッカニア」プレイレポート


「開拓者」「親方」「建築家」「監督」「商人」「船長」「金脈掘り」の7つの役割を使いこなして、スペインの植民地・プエルトリコで島の開発を進めていくボードゲーム「プエルトリコ」の新版・日本語版「プエルトリコ20」には、過去に出た拡張もすべて収録されているといます。基本セット拡張第1弾拡張第2弾に続いて、拡張第3弾「バッカニア」を含めてゲームをプレイしてみました。

追加のコンポーネントは「バッカニア」役割カードと「バッカニアの肖像」タイルの2つ。プレイヤーは他の7つの役割と同様に「バッカニア」を選ぶことができます。


「プエルトリコ」の特徴は、選んだ役割に「特権」と「アクション」があり、特権は選択したプレイヤーしか得られませんが、アクションは全プレイヤーが実行できるというところ。「バッカニア」は役割を選択したプレイヤーが「海賊」「略奪」「襲撃」「誘拐」の4つからいずれかを実行するという、特に特徴的な役割です。


建物タイルの追加はないので、基本セット・拡張1・拡張2を用いてプレイします。基本セットと拡張1はの建物は「大きな建物」を除くと12種類ずつで、同コストのものが用意されているので、各コストでどの建物を使うかを順次決めていきます。拡張2は選ぶことなく導入可能です。


今回のプレイの初期状態はこんな感じになりました。


最初のラウンドは4番手。1番手のプレイヤーAが「建築家」を選んだので、手元の3ダブロンを使い切って「礼拝堂」を建設しました。「礼拝堂」は生産フェイズで効果を発揮する建物で、労働者を配置すると1ダブロン、貴族を配置すると1勝利点を得られます。これで、前半はダブロンを、後半は勝利点を獲得しようという狙いです。


4番手のつらいところは、すでに選びたい役割を取られているケースが多いこと。ここは地味ながらも金脈掘りで1ダブロンを確保……。


次のラウンドで、プレイヤーCが「バッカニア」を使用しました。アクションは「誘拐」で、親方を捕虜にしました。以降の手番のプレイヤーが捕虜になった役割をプレイするとき、バッカニアを選んだプレイヤーは身代金として3ダブロンを銀行から得ます。一方、誰も捕虜になった役割を選ばなかった場合は、このラウンドの最後にバッカニアを選んだプレイヤーが捕虜にした役割をプレイします。なお、1度バッカニアを選んだプレイヤーは、他のプレイヤーがバッカニアになるまで再びバッカニアを選ぶことはできません。


「バッカニアの肖像」タイルは、バッカニアを最後に選んだプレイヤーが手元に置いておきますが、「誘拐」時は捕虜にした役割カードの上に置いておき、誰かが捕虜の役割を選択したときかバッカニアが役割をプレイするとき手元に動かす形にすると、捕虜も他の役割カードと一緒に並ぶことで選択肢から外れたわけではないことが一目でわかる上に「今この役割は捕虜になっている」ということが示されるので、状況を把握しやすいかも。


「監督」フェイズにトウモロコシを生産。そして礼拝堂の効果で1ダブロンを獲得。


貯めたダブロンで、建築コストを減らす「建設局」を建て、タバコ生産を目指します。


タバコの農園と保存所に人を置きたいと思いつつ、雇用斡旋所に人が増えたのを見守っていると、プレイヤーAがバッカニアで「襲撃」を発動しました。「襲撃」は、雇用斡旋所にいる労働者を、最低プレイ人数を残して取り除き、最大3コマまでを島に配置することができるというアクション。このとき、港に置くことはできませんが、農園や建物に空きがある場合は大きな効果を発揮します。


人出の確保に苦労しつつタバコ生産を開始。さらに、コーヒーにも手を伸ばします。


コーヒー生産もできるようになったのですが、生産と出荷のタイミングのずれで、タバコを出荷し損ねてサプライに戻す事態が発生したため、生産物を無駄にしないように保管庫を建設。


資金が不足してきたので、2ダブロン乗っていてお得な金鉱掘りを選択し、次に備えます。


今度はプレイヤーCがバッカニアで「略奪」を実施。「略奪」は、商店にある商品駒をすべてサプライに戻し、1個につき1勝利点を得られるというアクション。このとき商店には2つ商品が並んでいたので、2勝利点を獲得です。


隣が稼いでいるのを横目に見つつ、なんとか手元に5ダブロンを貯めて、建築家特権の-1ダブロン、建築家に乗っていた1ダブロン、採石場効果の-1ダブロン、貴族を配置した建設局効果の「大きな建物」建築時-2ダブロンを合わせて、10ダブロンの「市役所」を建設。


プレイヤーBはバッカニアで「海賊」を行いました。「海賊」は、貨物船のうちいずれかの商品すべてを取り除き、そのうち最大3個を自分の港に保管できるというもの。


手元はこのように進化。「市役所」は生産建物ではない建物1件につき1勝利点を得られるボーナスがあるので、ゴールめざしてどんどん建物を建てていきます。


最終ラウンドは建築家を選んで最後の建物を建てようかと思ったのですが、先に取られてしまったので、バッカニアで「略奪」を行い、商店の商品を売り払って2勝利点を上積み。これはこれで最後に加点につながりました。


結果は63点。


しかし、中盤から多品種少量生産で工場のボーナスを最大限に利用し、「ギルドホール」と「税関」を建てたプレイヤーCが66点で勝利しました。


この拡張3の追加コンポーネントは「役割カード1枚+タイル1枚」と分量はわずかですが、新たな役割が加わったことによるプレイの幅の広がりは相当なもの。「商館」がないと詰まりがちな商店がリセットされたり、「誘拐」により役割のプレイがラウンドの最後に固定されたりと、テンポも大きく変化し、拡張1や拡張2で苦戦したというでもうまく立ち回れるかもしれません。

なお、拡張1に、各フェイズの特権の効果を2倍にする「図書館」という建物がありますが、バッカニアの「海賊」「略奪」「襲撃」「誘拐」は「特権」ではないため、「図書館の効果で最大6つの労働者駒を獲得」といったことはできません。


続いて、新たに追加されたという拡張第4弾「祝祭」を加えてプレイしてみます。

・つづき
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in レビュー,   ゲーム, Posted by logc_nt

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