レビュー

家族一丸となって農地や洞窟を開拓していく箱庭系ボードゲーム「カヴェルナ:洞窟の農夫たち」レビュー


ゲームを進めながらプレイヤーそれぞれが自分の持つ森林や洞窟を発展させていく箱庭系ボードゲームが「カヴェルナ:洞窟の農夫たち」です。世界中で人気のあるボードゲーム「アグリコラ」の作者によるデザインとのことで、実際に4人でプレイしてみました。

カヴェルナ:洞窟の農夫たち 日本語版
https://hobbyjapan.co.jp/caverna/

カヴェルナ:洞窟の農夫たちのパッケージはこんな感じ。


プレイ人数は1人~7人、プレイ時間はプレイ人数×30分、対象年齢は12歳以上を想定。


説明書は2種類のルール説明書。左が基本ルールを記したもので、右がタイルやカードの効果を記したもの。


基本ルールの説明書には、「このゲームは7人までプレイできるけど、初めてプレイするときは5人以下でプレイすることをオススメするよ。そうすることで待ち時間を減らせるだろう」とゲームの作者からのアドバイスが書かれていました。


中に入っているのはトークンやパネル、カード。なお、以下の画像ではすでにトークンやパネルを小分けにして整理している状態ですが、実際は最初に厚紙から外す必要があります。トークンやパネルの量や種類は膨大なので、あらかじめ収納用の袋を自分で用意するのがおすすめ。


プレイヤーボードはこんな感じ。左側が森林、右側が洞窟となっています。森林は伐採されておらず木が生い茂っており、洞窟は入り口2マスを除いてまったく掘り進められていない状態です。


ゲーム中に使うアクションパネルはこんな感じ。


なお、人数に応じて使用するアクションパネルは変わります。


そして部屋パネルを置くボード。


ゲーム中で使用するアクションカードや早見表などのカード。


点数計算用のメモ


◆ゲームの準備
今回は4人でプレイしました。まずは早見表となる2種類のカードを各プレイヤーに1枚ずつ配布します。


さらにプレイヤーボードを各プレイヤーに配布し、円盤状のドワーフトークン2枚を「エントランスホール」と書かれたマスに配置します。


4人プレイ用のアクションパネルを以下のようにテーブル中央に配置。


アクションカードには1から4までの番号が振られており、番号ごとに分けてからそれぞれをシャッフルし、順番に重ねて山札を用意します。


プレイヤーボードに配置するパネルを取りやすい場所に配置。


部屋パネル配置ボードの表を使うか裏を使うかで「入門版」と「完全版」に分かれ、完全版の方が使用する部屋パネルが増えます。以下は完全版の部屋パネルの様子。


◆4人でプレイしてみた
ラウンド開始時に山札からアクションカードを1枚めくり、アクションパネルに配置します。


アクションパネルには資材の種類と数、矢印が書かれた「累積スペース」があり、指定通りの数の資材を配置します。


資材は文字通り「累積」されていくので、ゲームのラウンドごとに累積スペースに指定の資材が追加されていくことになります。


なお、資材トークンは種類がとにかく多く、ゲーム中はテーブル上を激しく行き交うことになります。平皿に資材を出し、プレイヤー全員がトークンを管理しやすいようにするだけでプレイ時間が大きく短縮されるのでおすすめです。


手番になると各プレイヤーはプレイヤーボードに載せているドワーフトークンを1枚取り、アクションパネルの好きなところに置きます。例えば「開墾」のアクションパネルにドワーフトークンを配置すると、パネルにおかれている木材を2つゲット。


さらに、畑と草原のパネルを森林部分に配置可能。パネルはエントランスホールからつなげるように配置する必要があります。


森林を切り開き、草原や畑にすることで、家畜を飼ったり作物を育てたりすることができるようになります。例えば草原を2つつなげた状態で、アクションパネルの効果で牧場パネルをゲットすれば……


家畜を牧場の中で飼うことができます。


ドワーフトークンは手番ごとに1枚だけ配置可能。使えるドワーフトークンは初期状態であれば2枚あるので、手番が2周したら1ラウンド終了になります。2つめのトークンは「坑道工事」に配置。石材を2つゲットして……


さらに洞窟部分に以下のパネルを設置。パネルの左側は「広間」で、右側が「坑道」にあたります。


「広間」は部屋を作るのに必要なスペース。アクションパネルの効果で部屋を1つ作ることができ…


好きな部屋パネルを獲得してプレイヤーボードの「広間」に配置します。部屋パネルにはさまざまな効果や点数が定められているので、どんどん洞窟を掘り進めて部屋パネルを配置することが重要。ただし、部屋パネルの設置にはコストを支払う必要があります。部屋をたくさん配置するためには、石材や木材などの資材を集めなければならないというわけ。


また、ドワーフは食べなければ生きていくことができないので、資材だけではなく食料も重要。基本的にはドワーフ1人につき食料2つを消費するので、2人のドワーフを抱えている場合は、ラウンド終了時に食料4つを支払う必要があります。


食料をゲットするには、育てた作物や家畜を食料に変換する必要があります。例えば以下はイノシシのトークン。


イノシシは食料2つに加工することが可能。作物や家畜を食料に変えるのはゲーム中であればいつでもOK。


また、ゲーム中でゲットできるルビーは……


資材や作物、家畜、パネルなどをゲットできる重要なアイテム。ルビーは食料2つに加工することも可能なので、困った時の資材としても活躍します。


ドワーフたちは農業と畜産、洞窟の採掘以外に「探索」を行うことができます。例えば以下の「2」という数字が描かれている「鉱床工事」は、探索を行えるアクションパネルです。


ドワーフはアクションパネルの効果によって武装することが可能で、武装したドワーフは数字の書かれたヘルメットをかぶっています。この「6」のドワーフを鉱床工事に配置すると……


手元の早見表で6以下の資材や家畜などを2つまでゲット可能。ただし、同じ種類のものを複数ゲットすることはできません。今回は木材を変換した後、イノシシをゲット。


そして、さきほど設置した「食肉処理場」の「食料にした家畜1頭につき食料1つ追加」という効果で……


飼っていた羊1匹とゲットしてきたイノシシを食料に加工し、食料を合計5つゲット。


食材供給が安定してきたので、アクションパネル「家族の生活」の効果でドワーフを増やします。ドワーフを増やすと使用可能なドワーフトークンが追加され、ラウンドごとに選べるアクションも増えます。ただし、ドワーフが増えるということは必要となる食料も増えてしまうというもろ刃の剣。


そこで、「家族の生活」の効果で、小麦や野菜といった作物を畑に植えて、さらなる食料確保を図ります。


小麦と野菜のセットを食料5つに変換できる「調理場」の部屋によって、もはや自給自足体制は盤石。


どれだけ子どもが増えても食料には困らないレベルで食料がたまります。


ラウンド終わりには収穫フェイズがあり、「作物の収穫」「食料の支払い」「動物の繁殖」の順番で処理が行われます。畑に生えている作物を1つずつ収穫し、ドワーフの人数に応じた食料を支払い、2頭以上いる動物は1頭増えます。


しかし6ラウンド目からは、配置されている収穫トークンの裏面によって処理が変化します。裏返して緑色だった場合は通常通りに収穫フェイズが行われますが、赤色だった場合は……


通常とは違う処理が行われることとなります。例えば以下の場合だと、収穫フェイズは一切行われないというもの。収穫フェイズが行われなければドワーフの食料を支払う必要はありませんが、食料の元となる作物や家畜が増えません。


そんな感じでラウンドをどんどん進めていき……


12ラウンドが終了したらゲーム終了。今回はひとまず森林と洞窟をすべて開拓し、作物と家畜で食料を安定供給する方向でプレイしてみました。その結果、食料源を確保するのに精いっぱいとなって部屋をたくさん作ることができませんでしたが、それでも最後までやりくりしながら堅実に敷地を開拓できました。


プレイヤーの点数を、家畜の頭数や作物の数、部屋の点数、ルビーの数などに基づいて計算します。点数計算処理はやや複雑で、メモに書かれている項目を見ながら順番に計算します。ドワーフ・犬・家畜・小麦・野菜・ルビーの数は加点されますが、木材などの素材と食料はそのままでは点数にならないので、点数変換できる部屋を作っておくか、最終手番でうまく使い切るような運用にしておいた方が点数が高くなります。


なお、1位だったプレイヤーのプレイヤーボードはこんな感じ。羊を飼育できる犬を何匹も抱えていたほか、鉱石を大量に集めて点数に変換することで高得点をゲット。


「カヴェルナ:洞窟の農夫たち」の1プレイは人数×30分とのことで、4人プレイであればおよそ2時間になる想定でした。しかし、ルールや各アクションカードの把握、「探索」処理によってめちゃくちゃ時間がかかってしまったため、初回のプレイ時間はなんと4時間。しかし、2回目のプレイではルールに慣れたことで2時間20分ほどと、想定に近いプレイ時間になりました。

大まかなゲームの進め方はシンプルなのですが、ルールの細かい部分を把握するのには非常に時間がかかり、ルール説明書がテーブルの上を何度も行き交うこととなりました。そのため、ボードゲームに慣れていない初心者がプレイするにはあまり向いていない印象。また、初めてプレイする際にはプレイヤー全員が事前にルール説明書の読み込みを行い、ルール把握の時間を少しでも減らす工夫が必要です。


ただし、洞窟や森林を自分の思う通りに拡張できるのがこのゲームの特徴。もちろん点数による勝ち負けも大事なのですが、「今回は洞窟をいっぱい掘ろう」「とにかく豊かな牧場と農場を経営したい」「大家族で必死にルビーを集めたい」など、自分の進めたいやり方をどれだけ実現できるかという部分も重要。点数で負けてしまっても、プレイヤーボードが充実することで大きな達成感を得られるのが魅力でした。

カヴェルナ:洞窟の農夫たちはAmazon.co.jpで取り扱われており、記事作成時点では税込1万500円で購入可能です。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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