植物ベースの食事に切り替えると「おならと大便が増える」という調査結果


これまで野菜や果物の少ない食生活を送っていた人が植物ベースの食事に切り替えると、ガスがたまって腹が膨れる鼓腸やおならの回数が増加したり、大便の量が増えたりすることが経験的に知られています。スペインの研究チームの調査で、植物ベースの食事に切り替えるとおならの回数は7倍、大便の量は2倍に増えることが判明しました。

Nutrients | Free Full-Text | Differential Effects of Western and Mediterranean-Type Diets on Gut Microbiota: A Metagenomics and Metabolomics Approach
https://www.mdpi.com/2072-6643/13/8/2638


Increased flatulence from eating plant-based diet found to indicate healthier gut microbiome
https://medicalxpress.com/news/2021-09-flatulence-plant-based-diet-healthier-gut.html

Men fart more when eating a plant-based diet due to good gut bacteria | New Scientist
https://www.newscientist.com/article/2289171-men-fart-more-when-eating-a-plant-based-diet-due-to-good-gut-bacteria/

野菜や果物、穀物、豆類を多く含む植物ベースの食事には、腸内細菌の栄養となる多くの食物繊維が含まれており、これによって腸内細菌が活性化しておならや大便の量が増えることが知られています。しかし、実際に植物ベースの食事がどれほどおならや大便の量を増やすのかという点は、それほど研究されていないとのこと。

そこで研究チームは18歳~38歳の健康な男性18人を募集し、野菜や果物が少ない西欧風の食事と、主に植物で構成されている地中海風の食事による影響を比較する実験を行いました。各被験者は西欧風の食事または地中海風の食事のいずれかに割り当てられ、2週間にわたり特定の食事を続けた後でもう一方の食事に切り替えて、その間にどれほどおならや大便の量が変化したのかを測定しました。被験者は自分の大便を採取して重さを量ったほか、おならの回数をカウンターで計測したり、研究室でおならの量を測定したりする調査も行われました。


実験の結果、男性が大便をする回数は食事スタイルによって変化しなかったものの、西欧風の食事の時は1回に出る大便の量が100gだったのに対し、地中海風の食事の時は1回200gと2倍も多いことが判明。また、おならの回数は地中海風の食事の方が7倍多く、1回に出すおならの量も50%以上多かったと研究チームは報告しました。

植物を多く食べると大便の量が増加した理由は、腸内細菌や排出される食物繊維の量が増加したからだとみられています。また、地中海風の食事をした被験者で増加したおならは、腸内細菌が食物繊維を発酵させる過程で産生されたものだそうですが、これらは主に無臭の水素やメタン、二酸化炭素で構成されているため、おならの量が多いからといって臭さも増加するわけではない模様。

オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学の栄養学者であるローズマリー・スタントン氏は、今回の発見はより多くの植物を食べたことによる鼓腸は何かがおかしいのではなく、歓迎するべき変化であることを示唆していると指摘。「『おならは何かの問題がある兆候だ』とする西欧風の考えは全く間違っています」「(ほとんどの場合)おならは健康的な食事と健康的な結腸を持っている兆候です」と述べました。

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in サイエンス,   , Posted by log1h_ik

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