サイエンス

科学者が実地検証した「子どもにもっと野菜を食べさせる方法」とは?


野菜は健康に良い食べ物ですが、好き嫌いの激しい子どもは「野菜なんて食べたくない」と主張することがあります。こうした子どもに野菜をより多く食べさせる作戦について、アメリカ・ペンシルベニア州立大学の栄養学者が実地調査の結果から「通常の1.5倍以上の野菜を食べさせられる方法」を見つけ出しました。

Promoting vegetable intake in preschool children: Independent and combined effects of portion size and flavor enhancement - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0195666321001574

Serving larger portions of veggies may increase young kids' veggie consumption | EurekAlert! Science News
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2021-06/ps-slp062421.php

Scientists Have Found a Sneaky Way of Getting Kids to Eat More Vegetables
https://www.sciencealert.com/scientists-have-found-a-sneaky-way-of-getting-kids-to-eat-more-vegetables

野菜はビタミン・ミネラル・食物繊維などを豊富に含んでおり、野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のガンにかかる確率が低くなるという研究結果も存在するほど、健康に欠かせない食べ物です。

野菜、食べていますか? | e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-015.html

日本では食育の観点からバランスの良い食生活を送るように推奨されており、子ども時代に「体に良いんだからもっと野菜を食べなさい」と言われた人も多いはず。しかし、小さな子どもは往々にして野菜が嫌いなもので、「うちの子が野菜嫌いで……」というのは時代を超えた親の悩みです。


こうした声に応える「子どもに野菜をもっと食べさせる方法」を見つけ出したのが、ペンシルベニア州立大学栄養学部のハニム・ディクタス氏ら。ディクタス氏らは、保育園で昼食を食べる3~5歳の子ども67人(男児26人、女児41人)を被験者として、「野菜の味付けを変える」「盛り付ける野菜の量を増やす」という2つの戦略が実際に食べる野菜の量を増やせるのかを調べました。

実験対象となった野菜は、ブロッコリーとコーンの2種。この2種の野菜を、「重量比で野菜の6.6%分のLight Butter(カロリーオフタイプのバター)と0.5%分の塩分を加える」「盛り付ける分量を60gから120gへ倍増する」という手法を施した上で、子どもたちに食べてもらいました。なお、野菜以外の献立は、白身魚のフライ・ご飯・アップルソース・ミルクで、実験は4週間にわたって週に1度ずつの計4回実施。食事中は子どもたちに野菜を食べるように求めることもなく、「好きなだけ食べてもらう」という方式で行われました。


食事終了後の野菜の重量を測定したところ、上記の2つの戦略のうち「盛り付ける分量を倍にする」という戦略のみが有効だと判明。バターや塩で味付けした場合は摂取量に変化が見られませんでしたが、盛り付ける分量を倍にした場合は平均21g(68%)増という摂取量増加が観察されました。さらに、盛り付ける分量を倍にするという戦略においては、「野菜以外の食べ物の摂取量は変わらない」という結果も確認されました。

食後に行った聞き取り調査の結果では、どの戦略で盛り付けられた野菜でも76%以上が「おいしい」「まあまあ」と答えており、「味付けを変える」「量を増やす」という手法はどちらも主観的なおいしさに影響を与えないことがわかっています。このことから、研究チームは「食事の際に野菜を増やすと子どもの野菜摂取量を増加させることができるが、バターや塩で味を付ける必要はない」と結論を下しています。

なお、今回の実験対象となったブロッコリーとコーンについては、「一般的に好かれるが、一番好きな食べ物にはならない」という理由で選ばれたとのことで、研究チームは野菜によって結果に差異が出る可能性があるとと強調。今回の研究結果から考えられる「盛り付ける量を増やしすぎると子どもがイヤになって食べる量がむしろ減るかもしれない」という可能性も含め、今後の研究を続けていく予定だとしています。

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in サイエンス,   , Posted by log1k_iy

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