フランス大統領が「新しい原子炉を作る」と発表、最大6基が新設される見通し

by Jacques Paquier
第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)で世界各国の気候変動対策が注目を集める中、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が2021年11月9日に、気候変動の原因となる温室効果ガスの排出を削減するとの目標を果たすための取り組みとして、原子力発電を推進する方針を発表しました。
France to build new nuclear reactors to meet climate goals
https://apnews.com/article/climate-business-europe-emmanuel-macron-environment-and-nature-541530ed81a84ef90860c9970f0a5517
Macron says France will build new nuclear energy reactors | Reuters
https://www.reuters.com/business/energy/macron-says-france-will-build-more-nuclear-energy-reactors-2021-11-09/
フランスは原子力エネルギーへの依存度が高い国ですが、国内の原子炉には老朽化の問題が指摘されています。また、フランス北西部のフラマンヴィル原子力発電所では、当初2012年の稼働開始を目指していた新型原発の開発プロジェクトが大幅に遅れており、フランスのエネルギー政策の大きな課題となっています。

そんな中、フランス大統領選挙を5カ月後に控えたマクロン大統領は、11月9日に出演したテレビでの演説で「フランスのエネルギー独立性を保証し、電力供給を確かなものとし、2050年までにカーボンニュートラルを実現するといった目標を達成するために、数十年ぶりに国内の原子炉建設を再開するとともに、再生可能エネルギーの開発を継続します」と発言して、原子力の推進を再開する考えを示しました。
マクロン大統領は以前、フランスのエネルギーミックスに対する原子力の割合を、2035年までに75%から50%に減らすことを公約として掲げたことがあります。また、フランスのエネルギー当局は、フラマンヴィル原子力発電所で建設中の原子炉が完成するまで、新しい欧州加圧水型炉の建設計画を見送ると発表していました。
フランスのメディアが伝えるところによると、今回のフランスの方向転換の背景には、ヨーロッパのガス危機がエネルギー価格を高騰させている問題や、消費電力が家計を圧迫している影響が社会全体に波及することへ懸念があるとのことです。
EUを中心とした世界的な天然ガス不足の問題については、以下の記事にまとめられています。
天然ガスの世界的な不足が訪れているとの指摘 - GIGAZINE

マクロン大統領は、原子炉増設計画の具体像を明らかにしていませんが、ロイターは「マクロン政権は、今後数週間以内に最大6基の新しい欧州加圧水型炉を建設する計画を発表する予定です」と報じました。
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